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久しぶりにわたしから光夜にメールをした。今日はかばってくれてありがとうと。光夜からは時間を置いて気にするなと返事がきただけだった。
みんなの都合が合わず、しばらく話し合いの日程は未定、都合がつき次第予定を立てるという形で今日の集まりは終わっていた。光夜と会う理由がわたしにはなくなってしまった。
あれからもうすぐ一週間が過ぎようとしていたが、光夜からの連絡はない。「どうして急に。わたしなにかした?」まさかソウと親しくしているのだろうかなどと不安が頭をよぎる。
自分から光夜に連絡をすればいいだけなのが、今までの光夜らしくない素っ気無い返事がまたきたらと思うと身動きが取れなかった。「わたし、光夜のことが好きなの?」
彼に距離をとられてから自分の気持ちに思い当たるなんて。わたしは光夜に惹かれているのに光夜がわたしではなく、黄花を思っているのが嫌だったんだ。わたしは黄花に嫉妬していたんだ。
「最近、どうなの?あのイケメンとは。会えてるの?」
学校の昼休みに急にホシカが話を振ってきた。わたしはここ最近のことを相談してみることにした。
「あんまり。メールも素っ気無くて。」
「ええっ!」
「すごく意外。なにかあったんじゃないの?家の都合とか?」
「どうだろう。でもどうしてそう思うの?」
「だって彼ミコトに惚れてるじゃない。見え見えだったよ?好きで好きでたまらないって、態度にでていたもん。」
ホシカの言葉にわたしは顔が赤くなるのを自覚した。
「そうそう。凄く愛おしそうにミコトのこと見てた。」
ハナもわたし達の話に入ってきて光夜の印象を語った。二人の言いようにわたしはものすごく恥ずかしくなった。つい俯いてしまう。
「ここらの男子と違って大人びてるよね。変に照れなくて堂々としていて。」
「そう。好きな女に会いにきてなにが悪いって感じ。あっちの男子はみんなそんな感じなのかな?」
二人が光夜の感想を話しているのを聞きながらわたしは思った。光夜は特にそうなんだ。ツクヨミの記憶があるから。ツクヨミは思い半ばで命を落とした。きっとその気持ちが彼を積極的な行動に向かわせているんだ。でもたとえそうだとしても。わたしも光夜に会いたい。
「会いに行ってみようかな。」
「いいんじゃない。驚かせてあげなよ。」
「きっと喜ぶよ!がんばれ。」
二人に励まされてわたしはその週末、光夜に会いに町まで出かけた。あの時と同じように光夜が通う塾の前で彼を待つ。しばらくすると塾生が出てきた。でもそこに光夜の姿はなかった。
今日は休みだったのだろうか。意気消沈して帰ろうとしたら、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「ミコトちゃん!」
「シュウマくん。」
「久しぶり、元気だった?」
「うん、シュウマくんも?」
「まぁまぁ。もしかして、光夜に会いに?」
「えっと。」
「あいつ今日は休んでんだよ。連絡しなかったの?」
「驚かそうと思って。」
「そっか。」
「光夜はどこか具合でも悪いの?」
「え?あっ、そう。そうなんだ。」
「そっか。大丈夫かな。」
「ミコトちゃん、今暇?」
「え?」
「俺いまから昼飯なんだ。つき合ってよ。奢るからさ。」
わたしは迷ったけれど、シュウマくんから光夜の最近の様子を聞きたかったので彼の誘いを受け入れた。二人でファーストフード店に入りおしゃべりをしながら一緒に遅い昼食をとった。
「あら。二人ってそういう仲だったんだ。」
声がする方に顔を向けるとランが意地悪そうな微笑みを浮かべてわたしたちを見ていた。
「ラン、どうしてここに?」
「シュウマは知っているでしょ?あなたたち、とってもお似合い。わたしは光夜が待っているから行かなくちゃ。じゃぁね。」
光夜が待っている?ランの言葉が頭に引っかかってわたしは金縛りにあったように動けなくなった。シュウマくんが慌てた様子で話しかけてくる。
「大丈夫だよ、ミコトちゃん。ランの言うことなんて気にするな。」
わたしはゆっくりとシュウマくんの顔を見た。
「光夜は病気じゃないの?ランと一緒にいるの?」
「今日は前々からランと約束していた用事があったんだ。ミコトちゃんと知り合う前からの約束で。」
「どういう約束なの?」
「ランと一緒に写真を撮るって。なんとかっていう雑誌のモデルで撮影するみたいだ。」
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