仲間の不安
「あれが俺たちの戦っている敵だ 春希 、って……」
俺は武者奮いというやつだろうか、全身が高ぶって、今にも誰かを殴りそうな勢いだった
「燃えてきた…!!あれが、俺たちの敵…!!早く、早く倒さなきゃ!!」
「ま、待ってくれ!!なにか対策を練ろう!!奴は弱点を突くのが上手い敵なんだ!!その証拠に」
またも貴志から腕を引っ張られ、司令官室に連行された
「司令官!!大丈夫ですか!?」
貴志に声をかけられるまで、司令官は全身にオーラを纏っていたが、声が聞こえた途端に収まった
「あっ!お、俺は!!?」
「良かった、気づきましたか」
「はあ、……すまない、また暴走が始まりそうだった…」
司令官は傍に壁にかけていた小さいタオルで顔を軽く拭いた
「やはり、あの人を呼びますか?純さんを」
純、という名前を聞いただけで司令官は顔色が変わった
「純はいらない!!あいつを呼んだら、俺の精神がめちゃくちゃになる!! 」
「どうして?荒井純さんは、あなたの仲間でしょう? 長年一緒にしてきた仲間でしょう?それが、なぜ?」
荒井純さん 元リメンバーズのメンバー、戦闘員兼医者
昔は暴走族だったが、能力者をやるきっかけでやめたという
司令官には相当な信頼をしていたらしい、一時期は一緒に住んでいたという
「……いや、お前たちに話せる程の事じゃない 俺の事より… 来たんだろう?敵が」
「はい、真っ先に春希を狙いました」
「春希はまだ武器も持っていないからな… よし、私も戦闘ジムへ行くか 何が適切か見てみよう 春希、来なさい」
司令官はそれまで着ていた白いクローク服を椅子の背もたれにかけて、俺も後からついていった
「……ったく、俺は部屋の掃除しなきゃな」
すると、後ろから声が聞こえてきた
現れたのは2人の男性だった
「今のオーラは?」
「ああ、司令官のだよ 敵に狙われて、オーラを放ってしまったみたいだ」
謎の人物が貴志に話かけた
「びっくりして荒井病院から帰ってきたんだよ 俺も能力者だからさ」
そして、その人物の後ろについてきた相手は…
「滝になにかあったのか!?」
「だ、誰ですかあなたは!!」
「俺は荒井純 リメンバーズチームの一員で、戦闘員だった。今は荒井病院に勤めてる オーラが仕事場から丸見えだったからな」
大きい背丈、紺色の短髪に長い足 余程驚いたんだろうか、白衣を着たままこっちに着たらしい
「そうでしたか…俺は緑原貴志です はじめまして 司令官にはいつもお世話に」
「勝手に来ちゃって悪いな …あいつの顔、見に行ってもいいかな?」
「今は新人の戦闘コーチをしていますよ 今日は忙しいですね」
純さんは貴志にそう言われると小さく笑った
「……なあんだ、心配しなくても、あいつなりにしっかりやってんな 実は周りも結構心配してんだよ あいつは、1人で思い詰めやすい性格なんだ だから、貴志さん」
貴志の肩をポン、と優しく叩いた
「しっかり見てくれよ、分からないことがあったら、いつでも荒井病院に来てくれ 精神科が主だけど、具合が悪くなったりしたら、協力する」
「あ、ありがとうございます…」
そう言って、純さんはスタスタ帰って行った
「じゃあな、司令官に宜しく」
貴志はもう一度後ろを振り向いた
「…で?あなたは一体誰なんです」
「私は 藤浪伊月 司令官に選ばれた能力者です」
薄紫の髪、紫にまとった服だ
中性的な顔立ちだった
「続々新しい人物が来るなー」
貴志はおどけた表情をした
「司令官は?」
伊月は首を傾げる
「今は野暮用で忙しいんだ サロンで待ってて欲しい」
「分かりました」
そして、俺は
武器庫に周り、戦闘ジムに行く前に司令官に色々武器を試されていた
「こんな武器もあるんですか!?」
「それは槍だな 俺の仲間も使ってる 似たような武器で薙刀とかもあるが…」
俺はこんなに武器を見たり触ったりするのは初めてだった
「司令官はなにで戦うんですか?」
「ん?俺はシンプルな棍棒だよ あれが1番扱いやすいんだ 」
すると、突然俺の身体が光だした
「なっ……なんだ、急に!?」
「春希!!?」




