表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
strength and…   作者: まなか
5/50

司令官になった理由

「司令官、司令官に聞きたいことがあります」

「なんだ春希」

戦闘が終わり、貴志さんと俺たちは一旦能力者施設へ戻った

「……司令官はどうして、司令官になったんですか?」

「こんなに早く聞かれるとはな」

「あっまずかったですか?」

「いや、いいよ まだまだ俺は未熟者だ 前の司令官より、全然分からないことばかりだし」

司令官は椅子にかけていた白いクローク服を着直して、ソファにゆっくり座った

「君も座ったら?疲れただろう、お茶にしよう 貴志はまだ情報支部にいるみたいだし」

「……お言葉に甘えて」

カチャカチャとティーカップと茶葉を用意する司令官

「――こうして見ると、あなたも普通の人間なんですね」

「は? …前の司令官は、人間ではなかったみたいだけどな 俺にもよく分からないんだけど…」

「能力者には色んな人がいるって、司令官は言ってました」

司令官と話している間に、お茶のいい香りがした

「どうぞ」

「ありがとうございます」

「そうだな、俺が司令官になった理由…あれは3年前だ 俺たちがまだ現役の能力者だった頃、1度は終戦を迎えたんだ だが」


回想はじまり――

滝達は確かにあの時、ルインを消滅させ、世界も元通りになっていた

だが、やはり滝の予感は的中した

ボスを倒したら、自分が能力者最強と言われるのが本当なら、また敵はやってくるのでは、と

「司令官、俺はまた敵に狙われますよね」

「可能性は十分にあるな 悲しいことだが」

「司令官…俺は、もし死んでもいい、自分と同じ悲しい悲劇を、また繰り返したくない!!また生まれてくる能力者を守りたい!!」

その滝の親友、根口智嬉(ともき)も名乗り出た

「滝、俺も行くよ」

「智嬉…」

「また、自殺されたらたまったもんじゃないからな 能力者を守りたいと言って、死にに行くんだろ」

滝は智嬉にそう言われ、肩身が狭くなった

「たとえそういう道になっても…俺は後悔しない」

「滝…」

「能力に溺れた身体(からだ)…こんな身体、いつまで持つか…」

司令官はずっと口を閉ざしていたが、ゆっくり口を開く

「死ぬリスクは高くなるが、滝、司令官になってみないか? 能力者を守りたいなら」

「司令官!!」

「ルインとの戦闘を見ていたが、前ほどそんなに死ぬ道を選ばなくなっていた 今の君なら、きっと大丈夫だ」

「仲間を守りたい…みんなを、死なせたくない!!能力者最強の名前が本当なら、この力を、守る力に使いたい!!」

そう決意をした束の間に、戦いが復活してしまった

ただ1人、蒼山滝を狙って

それを機に、新たに能力者を集い、滝はまた能力者になった

回想終わり――

そうして、滝が司令官になって3年 メンバーは変わったりはしたが、纏める力が1層強まっている


「ま、こんなとこだ」

「自殺願望が強いんですか?」

俺はどストレートに聞いてしまい、司令官は肩をビクッとさせた

「うっ!!…… どうやら、能力者をやっている時に段々鬱の傾向が強くなったらしい、まあ、戦闘で激しく動いているから、大丈夫だろうと司令官は言っていた」

「そうですか 司令官は中の仕事が中心みたいですし、たまには外に出たほうがいいかもしれませんね」

そう話していると、貴志さんが戻ってきた

「ただいまー、あれ?休憩中でしたか?」

「そんなとこだな 頼んだ資料、情報支部から持ってきてくれたか?」

「はい こちらです」

チラっと除くと、俺のデータと、そして数枚の紙があった

「…やはり戻ってきていないか」

「司令官?」

「いや、大丈夫だ 2人は解散してくれ」

「了解! 春希、道場に行こう!腕試しだ!」

貴志さんに強引に腕を引っ張られ、俺は連行された

「ど、道場って!?ちょっと、貴志さん!!」

呼びかけも聞こえなく、そのまま連れ去られた……


「智嬉……必ずアジトから助け出すからな…」

司令官は窓を見つめて小さく言い放った

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ