なくてはならない人
そのままついていくと、司令官は地下まで俺を連れていった
作戦会議室より、更に更に、奥深い所へ――
言われるがままについていくと、そこには昔の親父の遺影が飾ってあり、下をよく見ると棺があった
「司令官、これって…?」
「ここは正真正銘、蒼山家の墓なんだ しかし、お前の家は簡易的なものしかないだろう? いつかこっちにある遺影をお前に渡さねばと思っていたんだよ 長男である君が、持って言って欲しい」
「司令官……」
ここに来ると、俺の短かった髪が、また一気に元に戻った
親父の力がまだ、残っているのだろうか
「親父も本当は、能力者になんかなりたくなかったんでしょうね もう、親父を倒したカルテー二は消滅しましたが、未だに俺は戦い続けてる…」
すると、また親父が現れた
「親父!!」
『ここまでよく来たな… もう、君は戦わなくていいんだ もう、シルヴァの世界でも終戦を迎えようとしている 君は自由になっていいんだ』
棺が近くにあるからか、親父の亡霊の姿がはっきりと見える
「終戦になったら、司令官にはもう、会えない?」
「君たちの世界が平和になる 素晴らしいことじゃないか 私たちは、変わらずここで生き続ける」
「司令官… 」
司令官はフードを脱ぎ捨て、俺の両肩を手で抑えた
「いいか、終戦になったら、私たちが行き来出来ぬように、ゲートを閉鎖する その後の連絡も、まともに取れないと思ってくれ」
俺は冷や汗が身体中から大量に流れ出した
「いやだ…司令官と会えなくなるなんて…」
「君たちの平和を守る方法はこれしかないんだ! こちらの世界の住人が、お前たちの世界に1人でも行き来できたらまた敵がやってくるぞ!永遠に戦いは終わらない!!」
「司令官に会えなくなるぐらいなら…自爆します」
司令官は俺にビンタを食らわせた
「目を覚ませ!!」
「っ痛!?」
「お前がしっかりしないでどうするんだ!それでも能力者のリーダーか!!そんな弱気だったら、私はいつまでも君と…」
司令官は俺を弱々しく抱きしめた
「君と離れられないじゃないか…っ!!」
「司令官…」
司令官は泣いていた 俺も、涙を流した
これが本当に、永遠の別れになるとお互いに思っていたからだ
が 翌日
早朝に、ロダ様は緊急で俺を呼んだ
「どうしても、司令官と離れたくないか?」
「……はい」
「ふうむ、私の力でそちらで生きていけるように人間の肉体にしてあげてもいいがね…」
俺は寝ぼけながら聞いていたのだが、突然のことで目が覚めた
「なんですって!?」
「久しくあちらの世界で生きていて欲しい、という人間はいなかったのでね、これは大変珍しいことなのだよ 私の術も成功するか難しいところだ」
俺は司令官のことは、人間として好きだった
ずっと傍にいたいと思うぐらいの人だった
親友の智嬉や、親友と同じぐらいに、俺を大事に思ってくれている純、春希も好きだが、それ以上に…
「司令官は、俺の傍になくてはならない人でした…いつだって、力を注いでくれた人」
「幸せだな、シルヴァは そこまでお前に協力してくれていたのだな」
「はい…」
「シルヴァ」
ロダ様は通信機で司令官を呼んだ
するとテレポートですぐに俺の隣に現れた
「司令官!」
「滝!」
「シルヴァ 1つ聞きたいことがある お前…完全な人間になりたいか?」
「ロダ様!?」
ロダ様に突然人間になりたいかと聞かれ、司令官は戸惑っていた




