過去の真実へ
司令官に会う途中、自室に向かう通路で俺の仲間たちが俺を待っていた
「……なにしにきたんだ お前ら」
俺の仲間、智嬉、圭介、春希に加え、元リメンバーズチームの仲間たち純、瞳が現れた
「一体、どうやってここへ!?」
「お前が血迷った選択をしないように、テレポートで来たんだよ」
「瞳、お前も?」
久しぶりにみた、瞳の姿
一時期は敵にやられたかと心配したが、すっかり体調もよくなっていた
「ええ、久しぶりね 滝 ここに来れたのは私と純だけの力じゃないわ」
「と、すると?」
トヴァースも後から現れた 俺の目の前に
「トヴァース、お前!!」
「シルヴァに付きっきりで様子を見ていたら、滝の仲間を連れてきてくれ、とシルヴァが言ってきてね 俺は急いでテレポートで滝たちのいる世界へ行ったんだ 」
「司令官まで…」
それまで黙っていた智嬉がゆっくり口を開く
「滝 司令官が憎いか? 司令官のことが嫌いか?」
俺は智嬉に聞かれ首を横に振った
「嫌いじゃない 司令官には沢山の事を教えて貰ったし それ以上に、傍にいなくてはいけない人… 親父が死んだその日からなにも出来ない俺を、数え切れない程世話になった だから、殺したくない!!」
俺の話を聞いて、純は驚いた
「ええっ!?司令官を殺す!? 司令官と滝の間になにが…」
トヴァースが純と瞳にここまでの経緯を簡潔に話した
「――ふうん、なるほどね だから切羽詰まって俺のとこに来たわけだ」
「すまない、なにも言わず、君たちを連れ出してしまった」
申し訳なさそうに純と瞳にお辞儀をしたトヴァース
「そんな危険な答えを滝が… もし、滝の力でこの世界が本当になくなったら、あなたたちはどうなるの?」
「俺たちも消滅します 二度と、あなたたちに会えません」
「そんな…やっと、トヴァースさん達に会えたのに」
思えば、瞳は中々トヴァース達と会った事がない
ちゃんと面と向かい合って話している光景を見たのは初めてに近い
「そうならないために、滝 シルヴァを説得して欲しい 俺も、死んで欲しくないんだ 」
司令官は弱い自分を恨んで、仲間を守れなかった事を後悔している
それは俺も同じ
あの時、一刻も早く親父の危険を察知できたなら、と何度悔やんだことか
でも、あんな戦いは誰も責めることができない
親父の能力が強かったから? それであんな大戦争になった?
なにかの引き金が色々絡まって、それで戦いになったに違いない
俺は、答えを伝えに司令官の自室の扉を開けた
ガチャ…
「ん? おお、すっかり体が元に戻ってな ってなんだこれは? なんでリメンバーズチームが勢揃いしているのかね?」
「司令官 お話しがあります」
「なんだ」
トヴァースが2人の間に割って入る
「滝、やっぱこの人数は大袈裟だわ、最低限、智嬉と俺がいていいか?」
「?ああ、構わないよ」
「司令官 生きてたんだな」
純も司令官を心配してたらしい
「純、それに瞳も!瞳は久しぶりではないか!」
司令官は思わず瞳を抱きしめた
「司令官!?」
「いいよ瞳 司令官なら なにしても」
「滝…」
司令官は瞳のことをなんとも思っていないのだから 仲間として、心配していただけのことなんだから
なのに、なぜかモヤモヤする
「……っ」
「やはり男同士だからな、嫉妬ぐらいするだろう 滝 」
俺は司令官にそう言われると眉間に皺を寄せた
「俺を試したんですか?」
「いや、やめておこう 話がバラバラになる 」
司令官はおどけて見せた
「他のみんなは解散してくれ 広い客室があるだろう、そこで皆でゆっくりしたまえ 今日は戦いはない」
「――」
戦いはない、なんて嘘だ
トヴァースもダガンドも、まだ争いが続いていると聞いている
皆は駆け足気味に司令官の自室から出ていった
智嬉、トヴァースを除いて
「司令官に話があります」
「そうだったな なんの用だ」
「司令官、あなたは本当に俺に殺して欲しいんですか?死にたいって、それは本心なんですか?」
司令官は俺に背を向けて話す
「君に本当に辛い選択肢ばかり選ばせて申し訳ないと思っているよ」
「司令官…」
「私が死んで、悲しむ者もいるんだ、って今回は気付かされたよ 今まで私が死んでも悲しまないだろうって思ってきたから」
トヴァースは思わず身を乗り出す
「そんなことない!! 俺もシルヴァには生きて欲しいって思ったよ!!」
「滝 君に是非来て欲しい場所がある 私が案内するよ」
「……!! はい」
俺は嫌な予感しかしなく、しかし司令官に逆らうことは出来なかった




