司令官の住む国
ロダ様の国の宮殿――
「……やはり来るか 私の国に」
「ロダ様」
ロダ様とトヴァースの護衛役、ダガントは俺たち異世界から来るのを宮殿で待機していた
「ダガント 、滝を守って欲しい 今は シルヴァが滝を庇って、最大の秘術、蘇生術を行ったんだ シルヴァの力を与えられた滝は、もう一般人には到底戻れない 能力に溺れきった身体だ」
「あの世界は能力者で生きるにはとても生きづらい 能力者になる人なんてほんのひと握りなのですから」
「うむ…前滝と一緒に戦っていた仲間たちも、結局それぞれやりたいことがあり、一般人になったんだ」
「そうだよな…能力者にはなりたくないよな」
俺はもう、普通には戻れない身体らしい
戦いたくないけれど、結局この道を選んでしまう
本当は、もう能力者なんかやめているはずなのに
やめたいのか、自分は…
と脳内で自問自答していると、あっという間にテレポートで宮殿についた
「君たちが通えるように、道を確保していたんだ シルヴァがいる限り、なにかと用入りでこっちに来るだろ?」
トヴァースはテレポートで着いたあと、俺たちの顔を見て得意げに話した
「ああ、そうだな ありがとう、トヴァース」
「シルヴァ、着いたぜ、あんたの住んでる国だ 滝のいる世界で能力を使い果たして、倒れたんだろ?」
トヴァースは司令官の肩を少し強めに叩く
よく見ると、司令官の足を見れば能力者施設では半透明だったのに、うっすら元に戻りかけている
「少し待てば、これは元に戻るな、よし、庭の近くのベンチで俺とシルヴァは休んでるよ あんたたちはロダ様に挨拶してきなよ」
トヴァースは自分の肩に司令官の右腕を乗せて、ゆっくり目の前にある庭のベンチのあるほうへ向かった
「……滝、トヴァースなら大丈夫だ、あいつはここの住人だろ? 司令官の体のことは誰より分かってる」
智嬉は俺が心配そうに見ていると優しく話した
「あ?ああ、 そうだな、行こう 挨拶しに」
<挿絵>
「トヴァースは今いないが、私は1度この国に来ている 案内するよ」
飛鳥さんは俺たちの先頭に立って、案内してくれた
「……失礼します、ロダ様はいませんか」
宮殿の王室へ向かった
「あ!お前たちは!」
飛鳥さんは知らないのか、身構えて戦闘態勢に入った
よく見ると、純によく似た、純の生まれ変わり、ジュン・タルナであった
「飛鳥さん!その人は敵ではありません!俺たちの仲間です!!」
俺は慌てて飛鳥さんを止めた
「あ、ああ…すまない」
「久しぶりだなー!!滝!智嬉!!元気にしてたか!?」
「ああ!ジュン・タルナさんも相変わらず!!」
俺と智嬉はジュンタルナさんと顔を合わした途端、3人で握手を交わした
「ジュンさん…あなたに、謝らなければなりません」
「ん?どうした、急に」
「兄貴、その話は、ロダ様に会ってから話そ?」
圭介は俺が何を話したいか気づいたようだ
「……そうだな、今じゃないな」
「ロダ様なら、この部屋の奥にいるよ」
ジュンさんが重い金色の扉を開けると、長いレッドカーペットが広がっていた
その先には、この国の王、ロダ・クニドス様が立っていた
「……滝、皆さん、久しぶりですね」
「ロダ様…っ!!」
俺は涙が溢れそうだった
「また会えるんじゃないかと思っていましたよ …トヴァースから、全て話は聞いています さあ、作戦会議室でじっくり聞かせてください」
「ロダ様…シルヴァさんが!!」
「……私がなにも知らないというのですか 彼は今、庭園のベンチで休んでいるんでしょう? 彼なら少し休めば、また戻りますよ」
俺は顔を下に向けた
「まずは作戦会議室で、私も行きますから 滝」
「……はい、行きます」
「滝!!」
「他所の世界から他の者がぞろぞろ行けば怪しまれます、皆さんは客間で休んでてください」
ジュンさんは王室の扉の前に立った
「行こう、俺に着いてきてくれ」
「……滝」
智嬉は心配そうな顔をしていた
「大丈夫だよ、ロダ様なら、心配いらない」
「……飛鳥さん…」
「彼は懐の広いお方だ 大丈夫だよ、きっと」
「そう……そうですね、あのお方なら、大丈夫」
俺は作戦会議室、智嬉たちは客間、と2手に分かれた
作戦会議室
「シルヴァは普通の体ではないことは知っていますね?」
「はい、1度死んでいるんですよね」
「……君も、1度死んだんだろう?」
「!!」
やはり分かっていたようだった




