友を助ける為に
その頃、荒井病院では
丸2日間ぐらいだろうか、智嬉さんはひたすら眠り続けていた
純さんはずっと付きっきりで智嬉さんを診ていた
「……こいつずっと寝てるけど、疲れてたのか、もしくは能力がないのか?」
念の為に智嬉さんの額を手のひらで触る
「…、大分熱は下がってるな」
純さんの白衣の胸ポケットから、通信機が鳴った
「もしもし、司令官?」
『ああ、私だ そっちの様子はどうだ』
「大分熱は下がりましたね 顔色もよくなってます 滝は、大丈夫ですか?」
司令官は少し沈黙したあと、慎重に話す
『滝は… アジトへ連れて行かれたよ』
「なんですって!? 俺も行かなきゃ!!」
純さんは慌てて椅子から立ち上がった
ガタン!!
『待ちたまえ 智嬉はまだ目覚めないんだろう? お前がいなくなったら、智嬉はどうなる』
「あっ… そう、ですよね」
純さんはふぅ、とため息つきながら椅子に座る
『滝は春希に任せている 滝が一段落すれば、恐らくお前達にも敵が襲いかかるだろう』
「くそっ!智嬉も診てなきゃならないのに、そんな敵に構ってる暇はねえのに!!」
純さんと司令官が話し込んでいると、智嬉さんの個室の扉から貴志、裕也が現れた
「だから俺たちがいるんですよ 純さん」
「うわあっ!?びっくりした!」
「金堂裕也です 純さんとはサシで会うのは初めまして…ですよね?」
「あ、ああ、初めましてだな」
貴志は智嬉さんの顔をじっと見る
「まだ、目覚めないんですか…」
「ああ、滝は敵に捕まってるっていうのに、俺はこいつを診てなきゃならないし 早く、助けに行ってやりてぇ…あいつ、また命を投げ出す行動をしてそうだから…」
純さんは思い詰めた表情をしていた
<挿絵>
「純さん 滝さんも成長しなきゃならないんですよ 滝さんも、あなた方がいない間、沢山勉強していました 仲間に会いたい思いはなくはなかったみたいですが、俺たちが一緒に戦った空白の2年間は、あなた方がいなくても、滝さんは1人でも戦っていました」
貴志も滝さんと一緒に戦っていた1人
期間は短かったが、それでも滝さんを守っていた
貴志の言葉に、純さんは眉間に皺を寄せる
「……お前に、滝の何が分かんだよ」
「純さん?」
「俺は、ずっとあいつの事を…」
すると、智嬉さんの目がゆっくり開いた
「ん……」
「智嬉!!」
「智嬉さん!!」
純さんは慌てて智嬉さんの顔の近くに身体を向ける
「大丈夫か!? 喋れるか!」
「……なんでこんなに人数がいるんだ?」
「みんなお前の事を心配してんだよ!」
智嬉さんは純さんの顔を見ると、嫌そうな顔になった
「はあ、ほんと、なんでこいつなんだろうなあ…」
「智嬉!お前っ!!」
「……」
智嬉さんはクスッと笑った
「ありがとう、ずっと、俺を診ていてくれたんだろ? 今回ばかりは世話になるな、純」
「滝の親友だからってもう、変な感情は湧かない 妬んだりしない 今は助けなきゃならないんだ 命がかかってるから 」
裕也は不思議に感じた
(妬む?純さんが?智嬉さんを? どうして…)
「純さん、それって、どういう…」
するとテレポートで司令官とトヴァースさんが現れた!
「司令官!」
「智嬉、もう大丈夫か?」
司令官に聞かれ、智嬉さんはニヤリと笑った
「大丈夫ですよ 滝がどうやら敵に襲われたようですね 早く、助けに行きたいです」
「司令官!俺もそうなんだよ!!」
純さんは司令官の顔を見ると切羽詰まったような顔をしていた
「…智嬉は能力者相手に戦った疲労だ、 しかし、お前は戦わないほうがいいな また二の舞になれば、今度こそ熱だけでは済まない」
「……っ!!」
嫌な予感は当たるもので、瞬間移動でリュザが現れた
「リュザ!?」
「くそっ病院までもが!!」
リュザは苛立ちをしていた
「滝にこんなに手こずるとはな……お前達全員皆殺しにしてやる!!アジトへ連行だ!!」
全然、リュザの力でアジトへ拉致された
病室からは誰もいなくなった




