見捨てない
「あなたは…!!」
「よ、久しぶりだな トヴァースだ」
「どうして!?」
滝さんの動揺っぷりに、トヴァースさんは思わず吹き出す
トヴァースさんの髪型は、黒い短髪で、左右のもみあげを肩まで伸ばしていた
「っはは、まあ、驚くのも無理はないよな シルヴァさんの住む世界ではまだ戦いが続いている だけど、俺は滝の様子を見ていいってことになったんだ」
俺はまだ会ったことがない仲間に、目を大きく開いて見ていたままだった
「あなたは、どちら様なんですか?」
「ああ、紹介が遅れたな、君が新しいメンバーかい? はじめまして、俺はトヴァース 滝の生まれ変わりです
まあ、難しい話だから、親戚ってことでいいよ」
「滝さんが転生した姿ってことですか?」
トヴァースさんは明るい表情をしていたが、俺が聞くと真面目な顔になる
「まあ、遠い遠い未来だ 」
「そんなトヴァースが、どうしてこっちに来たんだ!」
滝さんは相も変わらず動揺している
「滝、俺は絶対、君を見捨てたりなんかしない 瞳さんがやられたって情報だが、こっちに来る前に一足早くに瞳さんの様子を見てきた 」
滝さんは顔面蒼白していた
「瞳が…瞳が!!」
「瞳さんの母、峰子さんが幸いにも、まだ戦える状況であったのが驚いた… 瞳さんがやられる前に、峰子さんはリュザと1戦していたんだ 瞳さんは気絶しただけだよ」
トヴァースさんは腕組みしながら話す
<挿絵>
司令官が椅子から立ち上がった
「じゃあ、瞳は無事なんだな?」
「はい、次のリュザの標的は、みづきさんでしょう みづきさんは、誰も守ってくれる人がいません、 智嬉も今は入院してるとシルヴァから聞いてますが」
すると突然、司令官室に警報が鳴った
ビーッ ビーッ!!
天井についている赤いランプも点灯している
「なんだ!?」
司令官の胸ポケットにあった通信機が鳴った
『司令官!!私です!みづきです! 今、敵に殺られそうになって…こっちに来ないでーー!!』
みづきさんの悲痛な叫びが、司令官室に響いた
「もう、…嫌だ…俺の仲間が、次々に狙われている… 本当に、親父の力を解放しなきゃ、終わらないのか…!!」
俺は滝さんの傍にいてあげたかったけど、みづきさんが心配だった
「滝さん、俺はみづきさんの傍にいてあげたいです、滝さんは司令官室で待機していてください 」
「春希…お前までもが…」
「なにかあればすぐ、司令官室に知らせます!」
「お前みづきの居場所分からないだろう、圭介、案内してやってくれ」
司令官はみづきさんのいる住所と地図のメモを俺に渡した
「はい、俺なら何度も行き来してるから分かります、じゃ、春希、行こう!」
そうして俺たち2人はみづきさんのいる居場所へ向かった
「え?今何度も行き来してるって言わなかったか?」
滝さんは腰に手を当てて話す
「みづきと連絡しなきゃならなかったんだろう あいつは情報支部の1人だ」
「しかし、今は辞めているのでは?」
「……滝、お前何考えてる」
「みづきが圭介と連絡取り合うって今までに無かったから不安なんですよっ!」
トヴァースさんは2人の会話を聞いてケラケラ笑いだした
「ははは!心配し過ぎだぜ滝! 今はそれよりも、司令官室を更に強化しよう 敵が来ないうちに」
すると、テレポートでリュザが現れた
「お前は…!!」
よく見ると、リュザはみづきさんを既に抱えて腕で首を押さえつけていた
「次の標的はコイツだ…お前の目の前で、仲間を切り裂いてやる…!!」
「みづき…みづき!!」
「滝…ごめんね… いつも、守ってあげられなくて…」
みづきさんは苦しい表情だった
「待ってろ、必ず助け出す」
みづきさんが滝さんに手を伸ばすと、もう少しで手が握れそうな所でみづきさんはアジトへ連れて行かれた
「リュザ…絶対に許さない!!」
滝さんも強制的にアジトへ連れて行かれた
俺と圭介さんはみづきさんの部屋で待機していた
「なにも連絡がない限り、動かないほうがいい」
すると、直ぐに圭介さんの通信機が鳴り出した
「司令官!?」
『すぐリュザのアジトへ向かってくれ!!早く決着を付けないと、次は純と智嬉が標的になる!!』
「リュザ…っ 了解しました!すぐ行きます!!」
「行きましょう、アジトへ!!」
そうして俺たちは、テレポートでリュザの元へ向かった




