みなぎる力
「くそっまたしても俺の仲間を!!」
滝さんは悔しさのあまり司令官室に戻ろうとした
「待て!!」
「司令官?」
「今の滝の状態で、そんな身体でなにができる!死にに行くようなものだ!智嬉の二の舞になりたいのか!!」
滝さんは力がもう、残り少ない
智嬉さんはあの時、自分が能力が少ないのをわかって戦い続けた
いや、既にもう能力はなかったかもしれない
「智嬉がお前を能力がない中必死で守ってくれたのに、今の状態で戦いに出るのは危険だ」
「司令官…」
「しかし、滝さんの仲間が確実にやられるんでしょう?」
司令官はキリッとした顔で俺を見る
「こんな時にこそ、ヒーローの出番ではないのか どうしても、勝てない時は私を呼んでくれ」
「……はい!」
「もし、俺が力が出るようになれば俺も戦うから」
そうして俺たちの仲間は、一旦司令官室に集まった
――司令官室
「裕也は既に、智嬉を守るよう手配した リュザは滝の力を解放するために、純、みづき、瞳を倒そうとしている それぞれ、配置について欲しい」
「……了解しました!!」
滝さんは苦い顔をしていた
「……たとえ、俺の仲間が全員死んでも、世界が生き残れば良いのだが 俺の力が暴走したら、誰も止められなくなる……!!」
すると、後ろの扉から、滝さんの弟、圭介さんが現れた
「ゼェ……ハア……」
圭介さんの姿はボロボロだった
「圭介!!なにがあった!?」
滝さんは長いポニーテールをなびかせ、駆け足で圭介さんに近づく
「やられた…瞳さんが…俺がいながら…ごめん…」
滝さんはその言葉を聞くと、無心で立てかけてあった棍棒を手にした
「司令官、いいですよね?」
声色が普段と違い低かった
「……弟もボロボロになってまで戦ったんだ、そうまでして勝てない相手だぞ 」
「でも、俺は…っ!!瞳が好きだったから……っ!!」
俺の身体から、轟々となにかが湧き出る力が生まれていた
きっとこれは、能力なんだろう
「滝さん、圭介さん 俺は戦います」
「……春希!!」
滝さんも俺の姿に驚いていた
「春希の漲るパワー、お前は紛れもなく、能力者…!!」
「本気になるのが遅いんだよ春希 リュザを、倒そう、みんなで 司令官、伊月は?」
貴志も戦いの準備は万全だった
「伊月は情報支部で勤務している 」
「じゃ、貴志、壮志、いくぞ!!」
「ああ!!」
二手に分かれて、貴志と裕也は荒井病院へ、俺と壮志は瞳さん家の実家へ瞬間移動した
「……皆無事向かったようだな 春希の父親は外を、貴志の父親は中を警備してもらっている」
司令官は滝さんの顔をじっと見た
「なんてたくましいんだ春希 俺には、もうそんな勇気は残ってない…!!」
<挿絵>
滝さんは能力が少ないせいか、すっかり自信をなくしていた
「情けないなあ!それでもお前は、俺の生まれ変わりか!!」
「誰だ!!」
圭介さんがその声の主に聞くと、現れたのは
滝さんの生まれ変わり、トヴァース、と名乗った男性であった
「久しぶりだな、滝」
「……あなたは…!?」




