仲間がいなくては
滝さんと伊月が武器を取りに行ってたその頃…
俺たちは変わらずリュザと戦っていた
「くそっ、技が発動しない!!」
「裕也…」
リュザは俺たちの仲間が増えても余裕な笑みをこぼしていた
「指揮官もいない、技が発動しなけりゃこちらが有利だなあ? 喰らえ!!」
リュザは手のひらを天井に向ける
「"冥暗呪縛"!!」
裕也に技を与えた
「ぐああっ!!」
「いかん、まだ裕也は能力者としては弱い!それなのにあんな技を食らったら…!!」
司令官は心配して慌てて駆け寄る
その隙に壮志も技を放つ
「"大地よ、我が手に力を宿せ、 "岩壁"!!」
壮志さんは岩でバリアを張った
「今の力では、これが精一杯…」
「防御も必要な力だ 攻撃だけ強くても、敵に勝てない」
「ふ、こんな言葉があるぞ"攻撃は最大の防御"ってな」
リュザは仲間を庇っている司令官の目の前に立った
「じゃあ、こんな攻撃はどうだ?」
すると、俺の後ろから滝さんの声がした
「この声は…」
伊月が持ってきた武器は、かつて滝さんが予備で使っていた武器、六角鉄棒だった
「貴志、俺に力を貸してくれ 合体技でいくぞ」
滝さんに突然話しかけられ、驚きながらも応える貴志
「は、はい!? 合体技!? 」
「君の水の攻撃を利用するんだ」
「わ、…分かりました」
貴志と滝さんは両手をクロスさせた
滝さんが先に技名を唱える
「"水よ、風よ、 我々に力を……」
滝さんがいつも放っている竜巻が現れた
「滝…?まさか」
司令官は勘づいていた
「いくぞ、貴志!!」
「はい!!」
2人は同時にリュザに攻撃した
「"風生海流"!!!」
貴志の水の力と滝さんの竜巻の力が加わり、リュザに大きなダメージが当たった
技名を言い放ったのは滝さんだけだった
水の加わった竜巻がリュザを襲う
「うわああっ!!」
リュザは瞬く間にテレポートでアジトへ消えた
「くそっ、逃げられたか!」
「うわあああっ!!」
攻撃すると、亜空間が消滅して元の裕也の部屋に戻った
「や、やった…」
司令官は滝さんに問う
「滝、なぜ合体技をやろうと思ったんだ」
「…1人で無理して戦おうとするから能力が暴走したんです 俺の親父は だからこういう時だからこそ、仲間と協力しながら戦わなくちゃいけないんです」
能力だけを頼りにすれば、たちまち滝さんのような強い能力者は暴走を引き起こす
確か、俺の親父も、そんなことを言っていた…
「ふふ、リーダーらしくなってきたぞ、滝 私はいつコールドスリープしても大丈夫だな と言いたい所だが…どうも胸騒ぎがするんだ」
司令官はテレポートで俺たちを司令官室へ一斉に連れ戻した
「裕也、まだ能力が目覚めないか?」
今回の戦いで、戦えない裕也を不振に思った貴志
「あんたは誰だ?」
「ああ、はじめまして、俺は春希の先輩にあたる、緑原貴志だ 貴志でいいよ」
「はじめまして ああ、そうなんだ 敵を目の前にしても、技が放てない」
2人の会話を聞いていた司令官は、裕也を呼んだ
「裕也、念の為戦闘ジムで戦い方を確認したい ついてきてくれ」
「……?わかりました」
その頃、滝さんは
司令官室でモニターで敵の動きを観察していた
「熱心なのはいいけど、少し休憩したら?」
「伊月」
影武者の伊月は、常に滝さんの傍にいる
「…今回の戦いは、お前がいて助かった」
「いいえ、私は今あなたのお父さんの棍棒を使っていたから、変わりになる武器があって良かったわ やはり私が使うんじゃなくて、あなたが使わないと」
<挿絵>
「今は敵の動きは静かだ、お前も休んでいいぞ、寝てないんだろ?」
滝さんは伊月の顔をふと見やると、うっすら目にクマが出来ていた
「…ありがとう、滝 実はこの頃徹夜なのよ 少し寝るわ」
「ああ、おやすみ」
伊月はソファから立ち上がり、自室へ戻っていった
「……ん? リュザがなにか言ってるな」
モニター越しのリュザは、なにやらブツブツ言っている
『滝をなんとしてでも倒したい…その為には… あいつの大切にしている仲間から潰していくか…そうすれば悲しみの感情から能力が爆発を起こす…ククっ……』
滝さんはその一言を聞いて顔面蒼白になった
(智嬉、純、瞳、みづきが危ない!!早く仲間に知らせないと!!あいつらは能力がない!!)
「どうして…どうして俺だけを狙わないんだ…リュザ…!!」




