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strength and…   作者: まなか
21/50

伊月との出会い

「ねえ、覚えてる?滝さん」

伊月は滝さんを抱きしめながら問いかける

「なにを」

「私、実はあなたと会うの、これが初めてじゃないのよ 随分昔だけど、まだあなたが能力者になりたての頃、私とあなたは出会っていたわ」

まだ具合が悪いのか、滝さんはだるそうにソファの上で横になった

「ちょ、大丈夫?」

「敵にやられて少し具合が悪いんだ」

ソファから伊月は立ち上がり、本棚の近くで立った

「滝さん、私はね…あなたが能力者になりたての直後に一瞬だけど挨拶したわ」


回想――

影武者担当、藤浪伊月

あれはもう、10年前ぐらいのことかしら

今度新しく能力者チームが増設されるんだけど、私は一足早くに能力施設に向かっている

今のリーダーが戦争で亡くなって、新しい時代になろうとしている今、私含め皆緊張している

新しい仕事…新しい仲間たち

期待と不安がいっぱいの中、私は司令官室のドアを開けた

「失礼します、司令官」

「うむ、入りたまえ」

彼は、能力者創設時からずっといる最高司令官

「私が今度から新しい司令官だ 訳あって、フルネームで名前は言えないがね」

「は、はじめまして、私は藤浪伊月です! 前のリーダーの、影武者をしていました」

司令官は白いクローク姿だった

「話は聞いているよ その証拠に、普段はウィッグを被って過ごしているんだろう? 」

「は、はい」

「さて、君の影武者の担当は… この子だ」

司令官室のモニターで、その人と運命の出会いをはたす

「"蒼山滝" 高校生だなあ この子は今、父親が目の前で能力者にやられて死んだのを見ていて苦しんでいる そして、この子は父親の能力者、蒼山貴明の力を引き継いだ」

プロフィールが書かれた紙をざっと読んだ

私はこんな悲しい目に逢った人を、影武者として支えきれるのだろうか、と不安だった

「司令官… この子を、私が面倒を見る、と?」

「ああ、お願い出来るか?」

「……彼も今、支えが必要なのでしょうね、 彼は今どちらに?」

「2階の自室だ 彼も今能力者と決まったばかりでな、色々手助けしてやって欲しい」

私はとりあえず敬礼した

「分かりました、藤浪伊月、影武者として彼を支えます!」

「うむ、頼んだぞ」


写真で見る限り、彼は長い長髪の黒い髪、細く背が高い方だった そして目が三白眼

(仲良くしてくれるかしら)

私は彼より少し先輩なのだから、しっかりしなくちゃと意気込んで彼の部屋をノックする

確かに、今着いたばかりらしい、部屋の奥からガタガタ音がしている

「失礼します、蒼山滝さん」

ガチャリ

「ん?? あんたは…?」

まだ部屋中ダンボールだらけだった

「はじめまして、私は藤浪伊月って言います、あなたの影武者を担当することになりました」

「かっ影武者!? 」

案の定、驚いていた

「まあ、無理ないわよね いきなり影武者だなんて言われて」

「とりあえず、挨拶するか… はじめまして、俺は蒼山滝です 能力者になったばかりで、まだなにも分からなくて あなたは、なにか知ってますか?」

滝くんに聞かれて、私は目を瞬きする

「なにを?」

「能力者ってなんなのか」

「…戦う戦士よ 悪と戦うの 言わばヒーローよ あなたは」

「俺が…ヒーロー… ばかげてる…」

滝くんはベッドにドサリと座った

「俺なんか、決して強くない、ましてやヒーロー気質なんかじゃない 戦うなんて…」

「でも、あなたは間近で見たんでしょ?父親が倒れたのを あなたは敵を倒したくないの?」

私がそういうと、滝くんは目を光らせた

「倒したい…俺に、どれだけ強い力があるか分からないけど、俺は倒したい!!」

「その意気よ、滝くん!」

私は笑顔で勇気づけた

「俺は本当は強くなりたいんだ、みんなを守れる能力者を目指したい」

「あなたなら…きっとできる、お父様の力を引き継いだ、あなたなら」

回想終わり――


滝さんはソファからすくっと立ち上がって、腰に手をやり頭を抱える

「……確かに一瞬だが挨拶したな そんなに一瞬なのに覚えていてくれたのか?」

「今じゃ平気だけど、初めて会った時あなたのその女性のように長い髪はほんと忘れられないわよ それも男性だった、なんてね」

伊月は苦笑いをする

「それもそうか」

滝さんはおもむろにポケットから通信機を取り出した

「司令官、戦いに戻ります」

『大丈夫か?平気か?』

「はい 武器がないんですが」

『伊月、もういい頃合だ そろそろ滝にあの武器を渡してくれ』

また新たに違う武器を渡すつもりなのだろうか

伊月は理解していたようだった

「分かりました、じゃ、滝さん、私についてきて」

「あ?ああ!」


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