リュザとの再会
「春希、お前にはさっき言ったばかりなんだけどさ」
「ああ、裕也の彼女が能力者にやられたって」
「うん 年下だったんだ、まだ中学3年生」
それを聞いた滝さんは驚いた
「中3?お前たち高校2年だろ?どうやって知り合ったんだ その子と」
「……まあ、俺の妹の友達が、俺に告白してきたんだ それなりに可愛かったし、付き合ってみることにしたんだ 別に性格は良かったし」
まだ歳も若い時に、能力者の攻撃で死んでしまうなんて
リビングに置いてあったその子の写真を裕也は俺たちに見せた
髪型は肩ぐらいに伸ばしていて、眼鏡をしていた
「可愛い子だな」
「指揮官さんにそう言われて、今頃この子も喜んでるよ 若すぎた、死だった」
裕也は一筋の涙を零した
「裕也…」
「そんな無惨な戦いを見て、この街を守る気はないか?」
「指揮官さん…」
「今、戦闘員が少ないんだ 君が入ってくれればこちらが有利になる 一緒に戦ってくれないか」
滝さんは裕也を抱きしめた
「蒼山、滝さん…」
裕也にそう言われ、滝さんはハッとする
「俺の名前、覚えててくれたのか?」
「ああ、 滝さん 戦うよ 一緒に 春希も心配だし 彼女の仇も取りたいしな」
「裕也…!!」
すると、辺り1面裕也の部屋は異空間へ変わった
「な、なんだ!?」
「まさかリュザか!?」
俺たち3人は慌てて椅子から立ち上がり、滝さんは通信機を鳴らした
「司令官、司令官!! 緊急です!裕也の家で、異常が発生しました!!」
すぐに司令官は応答に出た
『なに!?メンバーを連れてすぐに駆けつける!!なるべく早くに駆けつけるから耐えてくれ!!』
「了解!!」
滝さんは腰に手をやると咄嗟に青い顔になった
「しまった…武器を持ってきていない…」
「滝さん、何やってんですか!!」
これには俺は動揺した
「一応武器がなくてもなんとか戦えるが、あの武器がなければ…っ!!」
「長い柄…モップならありますが?」
裕也に言われ、滝さんはつっこんだ
「モップで戦う能力者がどこにいるかっ!!」
「あっリュザが!!」
テレポートでリュザが現れた
「くく、絶対絶命…といった所かな?指揮官さん」
「うるせえ!! 俺は棍棒がなくても戦える!!」
<挿絵>
「しかし棍棒がなければ、能力を使うことになるから、お前の能力を頼って戦えばたちまち暴走するだろうなあ? っはは…」
滝さんの能力は、戦いで亡くなった父親の貴明さんの力を引き継いでいる その力は暴走すれば、世界ひとつ爆破するという恐ろしい強さらしい
まだそこまで力を発揮していないので、滝さん自身も怖がっている
「滝さん、ここは無理しないで逃げて!!」
「でも戦えるのはお前と俺しかいない、裕也はまだ能力者じゃないんだぞ!!」
リュザは変わらず余裕な笑みをしてこちらに近づく
「お前を倒すなら、今だなあ?蒼山滝…」
「くそっ…」
「なんで、なんで俺の能力が発動しない!!」
裕也は今だ焦っていた
「死ね、蒼山滝 お前の時代はとうに終わったんだ」
「殺すなら…早く殺してくれ…」
滝さんは片膝を立てて、頭を下げじっと待機している
「滝さん…そんなの、そんなのダメだよ…!!せっかく親友を守れたのに…」
「死ね――――!!!」
リュザは手のひらから巨大な光線を発射した
「あぁぁぁ――――っ!!!」
滝さんの悲鳴が狭い異空間の中で木霊したが、間一髪、司令官と、俺の仲間たちがバリアを張っていた――
「滝、死ぬな!!!」
「司令官…どうして…俺が死ぬのを…止めたんですか…」
「お前の力は確かに世界を滅亡する力を持っている けど、お前にも、生きる権利はある」
滝さんは泣き崩れた
「俺は…まだ…生きなくちゃいけないんですか…っ!!」
「確かにお前の力は、敵に狙われやすい 強い力があるからな」
リュザはまた技を出す構えをした
「シルヴァ…また会ったな… コールドスリープの最中だと聴いていたが?」
「ふ、私はまだそう簡単には眠りにつけないな お前のような侵入者がいる限りな!!」
伊月は滝さんをテレポートで司令官室へ移動させた
「伊月!?」
「あなた、そんな状況でまともに戦えるわけ、ないでしょ 落ち着いたら戻って、また戦えばいいわ」
「ふ…」
伊月の肩に顔を埋めて、滝さんはまた泣き崩れた




