緊急事態
「な、なんだこの光は…!!またなにか思い出そうとしているのか!?オレの体は…!!」
能力が目覚めてから、俺の体はおかしい
一向に落ち着かない
こんなとき、親父が来てくれたら、と密かに思っていた
兄貴たちも、突然家から飛び出した俺をカンカンに怒っているだろう…
ああ、いつもより考えが後ろ向きになってしまう……
俺は段々、たちあがれなくなり、椅子に座り込んでしまった
気づいたら、仲間が声を掛けていた
「春希!!春希!!しっかりして!!」
司令官も用事があったはずなのに、戻ってきてくれた
しかし、俺は顔を上げられない
「これは…敵の仕業か…!?」
司令官も見たことがない光景に動揺していた
「司令官、分からないなら、シルヴァさんで通信したほうが!」
貴志も慌てた様子だった
「ああ、1人で悩んでいても仕方がない!」
司令官はポケットから通信機を取り出した
「しれ…っと、違うな、シルヴァさん!!シルヴァさんいますか!!」
自分が司令官だということは、前のシルヴァさんはもう司令官ではない
相変わらず俺の体は光続けて、頭を上げられないままだ
『ん?おお、滝か どうした』
「実は、春希が赤い光を体から纏ったままうずくまり、今は椅子に座らせていますが終始この状態で…俺は、どうしたら…!!今までにない光景です!! 」
すると、シルヴァさんは緊急事態を把握したのか、数分も経たないまま俺の目の前にテレポートで現れた
「滝 ご苦労」
「シルヴァさん…春希を助けてください!!このまま戦えなくなるなんて嫌です!!」
司令官は必死に懇願する
「滝がこんなことをするはずがない ましてや他の人間も この件は、司令官は関係ない しばらくこの状態が落ち着くまで、私もお前たちの傍にいよう」
シルヴァさんが言い終わると、俺の体は更に赤くなった
「春希!!」
「能力の暴走だ 初めて持つ力の能力者なら、しばらくはこの状態が続く 滝、荒井病院へ行くぞ」
「いやです」
シルヴァさんの頼みなのに、食い気味で司令官はキッパリ即答で断った
「あのなあ!この際男の恋愛沙汰とかそんなの気にしてる場合か!!急ぐぞ!!」
シルヴァさんは半ば強引に司令官を腕で引っ張り、俺と一緒にテレポートで荒井病院へ向かった
「……今、シルヴァさん男の恋愛沙汰って…!?」
「壮志、今は聞かないほうが身の為だぜ やっぱりそういうことだったか、司令官…はあ、全く…」
貴志はやれやれ、とため息をついていると、後ろから伊月がアジトから戻ってきた
「男にも女にも好かれる上司なんていいじゃない 」
「なっ!?お前、その姿は!?」
伊月がしていた格好は、司令官と同じ服装、髪型のままだった
棍棒も司令官のをそのまま使っている
「影武者だからね、滝さんと同じ格好がいいのよ
それより、あんた達 リュザが智嬉を連れて襲いかかってくるわ!!」
「ええっ!?」
俺が欠けた今、まともに戦える戦闘員はたった2人
伊月はあくまでも情報支部の一員
そんな状態で、智嬉さんを救えることができるわけがない
「お困りのようだね」
聞いたことがない声が、ロビーから聞こえてきた
「誰だ!!」
壮志が2階から声を張り上げると
「貴志くん、久しぶりだね おや杉田壮志くんではないか、去年ぶりだな」
「……春希の親父さん…!?」
俺のピンチを分かっていたのたろうか突然、俺の親父が能力者施設にやってきた




