第4期 気持ちの線引き
朝の日差しが眩しい。今日もいい天気だ。だが、俺の心はひどく雨模様だった、、、
その雨は、学校に近づくにつれて、勢いを増していた。
「はぁ、、やっぱり今日は休もうかな、、?今日ぐらい仮病でいけるだろ、、?」
教室のドアの前でそう呟いた。まだ、あの暴力彼氏なし教師に見つかっていないため、今ならまだ、学校から脱出できる!そう、決意し靴箱に向かおうとした瞬間、、、
「ほ~う、、今日は休むのか?と・う・ど・う??」
「え?」
後ろを振り向くと、暴力(略)教師がいた、、、
「昨日はあんなに楽しそうに西浦と会話していたのになぁ?まさか、、休まないよなぁ?休む理由を先生聞いてやろうじゃないか!まさか、、仮病!なんかじゃないよな??仮病!なんかじゃ?」
「きょ、今日はせ、先生の日本史があるのかー、、楽しみだなー、、」
「そうだな?じゃあ、さっさと教室に入れ」
そう言われ、暴力におびえながら教室に入った。教室では、すでに西浦さんは机におり友達と仲良く談笑していた。
その後、話しかけられると思いきや、放課後まで何事もなくいつも通りの学校生活だった。心配して損したと思っていたら、ホームルームが終わった後、みんなが教室を出だした時に急に声をかけられた。
「あの、東堂君、ちょっと用事があるから一緒に来てもらっていい?」
「あ~、、うん分かった」
周りの男たちや中田が凄く羨ましそうにこっちを見てくるが、ぜひとも代わってほしいくらいだ。
そして、普段、使わない教室で西浦さんが話し出した。
「あの、昨日のことについてなんだけどね、、その、、
「言わない」
「え、、?え?あの、、
「誰にも言わない。その方が西浦さん多分、いいでしょ?」
「え、、?うん、、そうだね、、ゴメンね、、あんな気持ち悪い趣味見せちゃって、、」
「ん?気持ち悪い?何が?」
「え?あの、、BLとか、そうゆう男の子同士が仲良くする作品とかって男女問わずあんまりいい印象ないから、、東堂君もそう思ってるだろうな、、て思って、、」
「全然気持ち悪くねぇよ。そりゃあ、世間一般的に悪いことを趣味としてるのなら、ダメだけどさ、BLとかそういう同性愛を気持ち悪いなんて思わねぇよ、、世界には本気で同じ性別の人を愛する人がいる。」
「そういう人たちを気持ち悪いなんて失礼だろ?愛のカタチなんて人それぞれだろ?だから、西浦さんも気持ち悪い趣味なんて言うなよ、、君と同じ考えの失礼だと思うよ。」
あれ?下向いて喋らなくなったぞ??やべぇ!なんか泣いてる?!強く言い過ぎたかな?どうしよう、、とりあえず謝って、それでも無理なら土下座しよう、、ていうか、もう、土下座しよう、、、
そうして、土下座の体勢になろうとした時、、気がついた。
「え?なんで泣きながら笑ってるの?」
「あ、はは、、いやうれしくて、初めてだったの、、そうやって、面と向かって、私に気持ち悪い趣味なんて言うな!って言ってくれた子が、、、」
「いつもこの趣味を打ち明けるとね、、大抵、気持ち悪がられるか、受け入れてくれるけど、私が冗談で”気持ち悪いでしょ”って聞いたら、苦笑いをする子が多くて、、打ち明けてから、距離を感じることが多かったんだけどね、、」
「でも、東堂君は違う。私の趣味を聞いても、否定もしないし、距離もとらないし、しかも、私の考え方の間違ってる所まで怒ってくれた、、、それが本当にうれしくて、、、」
なんか、わかんねぇけど、土下座しなくて済んだっぽいな、、、良かった、、一時は後で問題になったらどうしようか不安だったけど、でも、西浦さん、幸せそうだからなんでもいっか、、
「じゃあ、明日からはまた1クラスメイトとしてよろしく!西浦さん!!」
「嫌です、、」
「え?やっぱりまだ、俺と萬田先輩を、、
「違います!!いや、まぁそれはまたおいおい、、ね?」
「ね?じゃねえよ!後々あるよ!みたいな雰囲気だすな!!俺はそっちに興味ねぇぞ」
「じゃなくて、わ、私と友達になってほしい、、な??」
「え?俺なんかでいいの?そっちの世界のこと全然知らないけど、、、
「いいの!!趣味が合うとか、同性だから友達になりたいんじゃなくて、東堂君のことが気になるから友達なりたいの!!」
そう言った、彼女の笑顔は朝に見た陽の明かりのように眩しく、そして、美しかった。
その後、西浦さんとは、友達として仲良くしており、心なしか、前よりも笑顔が増えた気がした。萬田先輩には二人で謝りに行った(そのとき、西浦さんが期待の眼差しでこちらを見ていたが、ガッツリ無視した。)
西浦さんには、今後も振り回される気がするが、それも良しとしよう、、、
「、、、宗くん、、やっぱり、西浦さんのことが、、、」
「私の気持ち、、、伝えなきゃいけないのかな?」
餅で一番好きなのきな粉餅 マラカスです。
第4期見ていただきありがとうございます。
まだまだ続きますので、感想、ご意見お待ちしております。
次回もお楽しみに!!