出会い
ちなみに応坂高校は家から遠い。車で50分かかるところにある。だから母が聞いてきた
「あんた、下宿にしなくてほんとによかったの?」
「下宿はやだよ。ゲームとか漫画とか自由にやりにくいし、お金かかりそうだし」
「まぁあんたがそれでいいならいいけどさ」
毎日の通学は朝早く電車で行くことにした。
(それにしても6ヶ月定期にしたけどあんなに高いとは思わなかった)
母と話したり、考え事をしながら車に揺られているといつの間にか応坂高校についてた。
「お母さんは保護者の受付行ってくるから、あんたは生徒の受付に行きなさい」
「う、うん。わかった」
僕は体育館前にある受付に向かった
「おはようございます!お名前を教えてください」
「た、田中太郎です」
「田中太郎君ですね...はい確認しました。体育館の中へどうぞ」
「ど、どうも」
確認を終えた僕は靴を脱いで、上履きに履き替えて体育館の中に入った
「うわ、でか」
体育館はそれなりのデカさで少しビビったが
「いや、うちの中学校が小さかっただけか」
すぐに中学校の体育館が小さかったと結論付けた
体育館の中では先生が新入生の席の案内をしてた
「自由席なので好きなところに座ってくださーい。でも、名前が呼ばれるので声が聞こえるところがいいですよ!」
「自由席か...後ろの席に行こう」
自由席と聞いて僕は即座に後ろの席を選んだ。なぜかって?知り合いが全然いなくて怖いからだ!こうして僕はガタガタしながら後ろ側の席に座った。しばらくすると隣に誰かが座ってきた。顔を横目で見ると、
「めっさイケメンやん」
イケメンだった。爽やかイケメンだった。
(ラブコメの主人公かよって思ったわ)
俺は心の中でそいつのあだ名を主人公君とした。すると、目線に気づいたのかイケメンが話しかけてきた。
「やぁ、僕は速水優太郎。君は何っていう名前なんだい?」
声もイケメンでイラっとして、ちょっと怒りっぽく答えた
「田中太郎...」
「田中君か。いい名前だね」(ニコッ)
(こいつ僕がちょっと嫌がってんのが分かんねぇのか?アホか?天然か?それは、ともかくイケメンスマイル眩しい!)
「あ、ありがとう。速水君こそいい名前だね」
「ありがとう」
これが僕と主人公君との出会いだった
イケメンは嫌いです。なぜならこの世に存在してはいけないレベルの顔で、面食い女子にモテるからです