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捏造の王国

捏造の王国 その30 ニホン国ジエータイ宇宙部隊創設?宙よりも足元を守れと野党いい

作者: 天城冴

問題山積みの国会を控えつつ、お茶会新年会の企画に心躍るガース長官。が、ジエータイ宇宙部門の隊員募集のポスターをみて、唖然。アベノ総理、アトウダ副総理ご推薦のそのポスターはSFアニメの設定そのもの、宇宙部門に対する大いなる勘違いをさせるもので…

正月の浮かれ気分も落ち着き、桜を愛でる会他問題山積の国会開催を控える今日このごろではあるが、ガース長官は少し浮き浮きしていた。

「ああ、新春のお茶会はよかったなあ。新年会では宴会ではなく、冬によいハーブティーブレンド大会などもよいな。やはりインフルエンザ対策用にエキナセアとネトルがよいのか、それともビタミンCたっぷりのローズヒップとハイビスカスやルイボスか、やはり甘く温まるアップルシナモンティーか」

と一時の現実逃避に思いをはせるのも束の間

「ちょ、長官大変です!」

と、飛んできたのは久方ぶりの登場のタニタニダ副長官であった。

「ん、何事かね、タニタニダ君」

「そ、その総理たちがジエータイの新設部隊の宣伝をお考えになったのですが」

「ああ、新設の宇宙部隊か、そろそろ我が国も宇宙的な戦略を考えねばならないが、それが」

「こ、これなんです!」

タニタニダ副長官は丸めた紙をガース長官に差し出す。

「ん、これは、ポスターの原案か…、何いいいい!」

そこには“君も宇宙軍に入って宇宙をめざせ!”と、70-80年代宇宙アニメの宇宙戦艦やら主人公に似た人物が描かれてた。


「アベノ総理、アトウダ副総理、こ、これを本当に正式ポスターにするおつもりで!」

血相かえて飛んできたガース長官とは対照的にアベノ総理は不思議そうな面持ちで

「だって宇宙部門創設だろ、やはりこれは戦艦を引き上げて、宇宙船にしないと」

というと、アトウダ副総理も

「そうそう、あのアニメ、今も続編あるし。だいたい宇宙もののアニメは我が国の十八番、定番じゃないか」

と如何にもアニメ好きという台詞を返す。

「確かに宇宙アニメはニホンで盛んに作られていますが、その、今回の宇宙部門創設はそういったものでは」

ガース長官が言うと

「え、火星で基地作るのに参加するんじゃないの?月面だった?宇宙からの危機に対応するんでしょ」

「いや放射能除去装置をもった宇宙人を探すんだろ、違うのかね」

割と真顔で訪ねる総理と副総理。

 ガース長官は内心、頭を抱えた。

(ま、まさか本当に宇宙軍だの宇宙戦艦だのをつくると考えていたとは。それも無知無教養無理解、思い込みだけで生きてる、精神お子様のネトキョクウならまだしも、総理と副総理

がそういう誤解をされていたとは)

と、総理に対する自分の思い込みに対して自己嫌悪に陥るガース長官。総理自身がネトキョクウの親玉と陰口をたたかれるくらいなのだ、ガース長官の考え方は、オーストリアの砂糖含有量がスバ抜けて多いチョコレートケーキであるザッハートルテにバニラアイスとマロングラッセをのせ粉砂糖かけたというカロリー馬鹿高の超極甘ケーキより甘いといえよう。

 アメリカのドランプ大統領から宇宙部門の創設の話があったとき、ガース長官は、衛星からの攻撃や監視などといった場合を想定した対抗策を講じることと考えていた。もちろんニホン国の集団的自衛権の宇宙領域にまで拡大すること(元参議院議員ヤマダノ氏が国会での質問時に暗に指摘していたが、なんとかスルーした)やアメリカの攻撃システムのバックアップすることも見越した上である。そのためにニホンの宇宙研究関連部門に予算を潤沢に与えたのだ。一見、軍事的に関係ないものもあるが、人気とりやら目くらましにもなるし、将来的に軍事的利用可能なものもある。宇宙規模の防衛戦略という意味で参加を決めたのは総理も同じと考えていたのだが、どうやら少し、いや大幅に事情はちがっているようだ。

「あの戦時中に沈んだ戦艦を引き揚げるって、このためじゃないの?」

「それとこれとは全く別の話です。衛星の監視システムとやらを整備して、ですね」

アベノ総理にアメリカの宇宙戦略を、どう説明するか頭を痛めるガース長官に、アトウダ副総理のこれまた頭の痛い横やりが入った。

「なんでそんな地味なんだ、衛星からミサイル打てるとか、レーザーで地上を焼き尽くすとか派手な計画はないのか」

反社会的集団のボスかと勘違いされるようなことを平気で言うアトウダ副総理にガース長官は返答につまる。

(ああ、なんだって、こんな物騒なことをいうのが副総理なんだ!だいたい勘違いも甚だしいし、それにジエータイというか防衛費は無駄遣いしすぎて苦しいというのに)

そうなのだ、役にも立たないミサイルだの戦闘機だの買いすぎて防衛予算はすでに予算オーバーしまくっている。どんなに増税しようと、増収分が追いつかないほどの兵器をアメリカから長期のローンを組んで購入しているのだから不足するのは当然。しかもほとんど実戦には役立たずではないかと言われている。実際、戦闘機を数十も購入しても乗れる人間は五本の指以下。そのうえ、その一人が事故で帰らぬ人になってしまったのだ、その飛行機の訓練中。乗りこなせる人間がいないし、養成にかける予算もない。しかもそもそも機体に欠陥があるのでは、と噂される機だ。乗ろうという人間もいないし、事故後益々乗りたがるものは減るだろう。

 さらにミサイル迎撃システムも当のアメリカの科学界から、今の精度では無理、超高速で動くミサイルを地上から攻撃なんて、まだまだ夢物語と指摘があったのだ。しかもニホンが購入したのは最新鋭ではない、配備するだけ無駄。そのうえ、配備先からも嫌がられ、根回しも困難になっている。

 そんな問題が山積みなうえ、現場のジエーカンに支給されるのは民間のものとさほどかわらぬ安手の医療キット、トイレットペーパーは自前というお粗末さ。この間は竹槍を配って大顰蹙、現実逃避にゲームにはまるものが続出したともいわれる(竹槍については“捏造の王国 その7”をご参照ください)。

 そんな中、さらに金のかかりそうな宇宙部隊創設だけでも、リベラルやらサヨクから非難批判の雨あられ。宙よりまず地に足つけろと揶揄されているのだ。しかも元ボーエイ大臣ヨネダレイミ議員が、“子供手当を防衛費にまわして、宇宙部隊創設!”と発言し、野党およびリベラルサイドから“子供減らして何が国防だ、愚か者”“電力会社から受け取った原発マネーをまずまわせ、あんたの今までの給与、献金もまわせ”と非難轟々。

 それなのに、当のアベノ総理が戦時中沈んだ戦艦を改造して宇宙戦艦を造るなどという正月ボケの初夢物語をのたまうとは、さすがのガース長官もあきれかえった。

 それでも、総理達に宇宙部隊創設の目的を理解させるべくガース長官は口を開いた。

「総理、副総理、とにかくですな。宇宙戦艦を作るとか、凄い装置を持つ宇宙人を探すとかそういう話ではないのです。他国の軍事衛星を監視するとか、地上の戦闘をバックアップするとかで」

「そんなのつまらないよ、だいたい月面に基地を作るとか、火星に行くとかの話はどうなったの?」

口をとがらせる総理にガース長官は

「それは…おそらく2040年には実現すると言われていますが」

それよりニホンは2040年までもつのだろうか。ニホン国が抱える様々な問題がガース長官の頭によぎった。

毎年大きくなり、被害がますますひどくなる台風、年々上がる最高気温それによる死者や農業の不作、いつ起きるともわからないが確実にもうすぐ起きると言われる大地震、事故収束もままならない壊れた原発と廃炉をまつ50数基の原発、各種施設の不備に会場の暑さ対策の不安、そして委員会トップらの汚職や不正が取りざたされる2020年開催予定の国際大運動大会、そして荒唐無稽な妄想を熱く語るアベノ総理はじめ現閣僚の面々。

2020年の正月明け早々、一抹、いや多大な不安を抱えつつ、ガース長官はアベノ総理とアトウダ副総理に宇宙部隊創設の真の目的をなんとか説明しようと不毛な試みを延々と続ける。

(ああ、こ、今年もゆっくりと落ちつけるティータイムは夢のまた夢か)

と、精神が一気に大寒波に見舞われたガース長官であった。


どこそのお国でも宇宙部隊だのができるそうですが、衛星からの監視とかが主で、決してロボットがでてくるとか、宇宙人襲来に備えるとかではないようですね。

要するに地球の争いを宇宙空間までひろげるものらしいですが、かけがえのない青い美しい地球をみて、そのような愚かな考えを棄てていただきたいものです。

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