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姫とキラ星さんシリーズ

キラ星さんの想い

作者: 日下部良介

 突如、彗星の如く現れたキラ星さん。

 あの七夕の日のやり取り以来、私のことを“姫”と呼んでくれる。そして、毎日、私を誉めてくれる。

 恥ずかしいけれど、嬉しい。嬉しいけれど、それがかえって怖くもある。


 素直じゃない私…。

「キラ星さんはいい人ですね」

 私なりに予防線を張ってみる。キラ星さんのことを“いい人”だと。

「はい。いい人です」

 私の真意を知ってか知らずか、悪びれることもなくキラ星さんは返事を返してくれる。おりこうさんのキラ星さんだから、きっと解かってくれていると思う。


 それでも不安な私は言わなくてもいいことを言ってしまう。

「あまり、私のことを好きにならないで。私は彦星さんが忘れられないから」

 好きにならないで…。って、どれだけ上から目線なんだろう。

「はい。彦星さんあっての“姫”ですからね」

 それなのに、キラ星さんはそんな風に言ってくれる。


 多分、キラ星さんは私を好きになりかけている。

 でも、どんなに好きになってもらっても私はキラ星さんを受け入れられない。

 それは彦星さんのことがあるからだけではないのだけれど…。

 キラ星さんの気持ちは嬉しいけれど、それに甘えるのはやっぱり怖い。そんな思いをキラ星さんに伝えた。

 少しの沈黙…。

 なんか、気まずくなったかな…。それならそれでもいいのかな…。


 キラ星さんがにっこり笑った。

「今の仲良しというスタンスが居心地いいです」

 キラ星さんはそう言ってくれた。私に対する精いっぱいの気遣いなのだと思う。そして、それはキラ星さんがここで一線を引いたのだということの決意表明なのかも知れない。

 キラ星さんがそうしてくれるのだったら、ずっとそんな関係でいられるといいな…。


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