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悲痛な決意

 翌日、ケントたちは身支度を済ますと、当初の予定通り王都にあるギルドへと向かう。あまり朝早くに行くと依頼を受けるために来た人々で混み合うと考えてやや遅く出たためか、街は既に多くの人々による賑わいを見せていた。

 そしてアデルマギア家の別邸から歩くこと十数分。彼らの前に、一際大きな建物が見えた。


「わあっ……!」


 それを見たエルナは感嘆の吐息を漏らす。その屋根にはギルドのシンボルマークである飛翔する鷲が描かれた旗が立てられており、風にあおられてはためくそれは、石造りの古めかしい建築と相まってどこか厳かな雰囲気を漂わせていた。


「私とマヤちゃん以外は、ここに来るのは初めてになるな。どうだ? 国中に拠点を構える組織の本部なだけあって、立派な建物だろう?」

「ええ、本当に凄いわ! ここから、冒険者の歴史が始まったのよね」

「そうだ。まだこの国のほとんどが魔物の生息圏だった遥か昔、多くの人々がここを拠点にして冒険者を名乗り、立ちはだかる魔物を倒して自分たちが生きるための土地を開拓していったという。この場所こそが今のこの国を形作った、いわば根幹というわけだな」


 かつて冒険者とは、魔物と戦いながらこの国の未開の土地を探索し、人々が繁栄するための拠点を作る者の呼称であった。王都を中心とした東西南北の四つの街を建設できたのは、彼らの働きによるところが大きい。

 国土を十分に開拓し終えた今となっては、冒険者の仕事も時代の流れを汲んで便利屋といった具合に変化していった。しかしそれでも、人々の生活を脅かす魔物を討伐し、平和を築き上げんとする意志は今も連綿と受け継がれている。


「こんだけ大きなギルドなら依頼もあちこちから転がり込んでるだろうし、俺たちの知りたい情報もありそうだな。ニュクスもそう思わないか?」

「…………」


 ケントが呼びかけるも、ニュクスは反応することなく浮かない顔で俯いている。


「ニュクス?」

「……は、はい! 何でしょうか?」

「何というか、大丈夫か? ここ最近、あまり元気がないように見えるけど」

「ああ、はい、大丈夫です。ただ、少々考え事をしていまして……」

「そうか? なら良いんだけどな」


 しばらく前からどうにも調子が優れていない様子のニュクスを心配しつつも、ケントたちは気を取り直してギルドの中へと入っていった。


「うーん、人が多くなる時間帯を避けたつもりでも、まだまだ多いわね。流石は総本山ってところかしら?」

「そうだな。だがまあ、受付はそこまで混んではいないだろう。昼にはまた人が増えるだろうし、その前に用事を済ませよう」


 最も人の多くなる始業直後の時間は過ぎているとはいえ、それでも全てのギルドの中心なだけあって集会所や食堂、資料室など他の場所以上に多くの施設を統合して運営しており、そのためどこに目を向けても人の姿が入らないことはない。

 あちこちから聞こえる喧騒を抜けて、ケントたちはようやく受付までやって来た。


「あら、いらっしゃい。依頼の受注かしら?」

「……ん?」


 すると、亜麻色の髪を背中の辺りまで伸ばした一人の女性が温和な笑みを浮かべて応対する。しかしケントは、その女性の顔を見て眉をひそめて怪訝(けげん)な顔をした。


「あら、そんなにじろじろ見てどうしたの?」

「何と言うか……あんたと似ている受付嬢を、ゼピュロスとノトスにあるギルドでも見たなあ、と」

「うふふ、リリエッタとルルティアのことね? 私はララベル。ギルド名物、五人姉妹の受付嬢の長女よ」


 ララベルと名乗ったその女性は、にこやかな表情を崩すことなく丁寧に自己紹介をする。彼女はケントたちが西と南の街で出会った、二人の受付嬢の姉だった。


「ご、五人姉妹だったのか。ルルティアさんはリリエッタさんのことを自分の姉だって言ってたけど、まさか他にも姉妹がいたなんてな」

「リューテさんは知ってたんでしょ? 私たちに教えてくれてもよかったのに」

「ふふっ、いやな。多くの冒険者が、彼女たち姉妹を見て君たちと同じ反応をするんだ。それを私が先に教えてしまうのも、面白くないと思ってな」


 ララベルたち五人姉妹の受付嬢は本人も言う通りギルドの名物となっており、新米の冒険者が彼女たちの顔を見て驚くのはある種の通過儀礼のようなものである。

 リューテはそのことを知っていたために、ケントたちに内緒にしていた。


「そうなると後二人の妹は、もしかして北と東のギルドにいたりするのか?」

「ええ、そうよ。もし会うことがあったら、仲良くしてあげてね?」


 そこまで言うとララベルは、話を本題に戻すべく改めて口を開いた。


「閑話休題。それじゃあ、そろそろ用件を伺おうかしら?」

「実は私たちはここ最近、魔物の動きに異変を感じていてな。それで、情報を集めるために本部であるこのギルドまで来たんだ。ララベルさん、何か知っていることはないだろうか」


 リューテがそのように尋ねると、ララベルはそれまでのにこやかな顔から、やや困ったように眉をハの字にしてこう答えた。


「そうね。あなたたちの感じている通り、確かに近頃ギルドでは変異種の発見報告数が増えているわ。それに、本来の生息圏から離れた所に強力な魔物が現れたという話も、冒険者からは上がってきてる。ギルドもこれを異常事態として認識していて、有志の冒険者を募って調査してもらっているの」


 ここ最近の依頼を終えた冒険者の報告から魔物の動きに異変があるということは、ギルドも既に理解していた。しかし原因の特定までには至っていないため、ギルドは協議の末に自らが主体となって冒険者に調査依頼を出していた。


「ほう。ではその調査に、私たちも参加出来るだろうか?」

「ええ、可能よ。ただ、この調査は変異種だったり、強い魔物と戦う可能性が高くなるわ。だから参加資格があるのは、最低でもCランク以上の冒険者だけなの」


 ララベルのその言葉を聞いて、リューテは顎に指を添えて俯く。

 この調査に関しては普段以上に不測の事態が発生しやすいため、ある程度腕の立つ冒険者にのみ参加を許可している。よって、ケント・エルナ・ニュクス・ソニアの四人はまだDランクであるため、この調査に参加できなかった。


「ふむ、それは弱ったな。それだと私とマヤちゃん以外は、まだ参加できないということか」

「あら、そうなの? それなら、まずは普通の依頼をこなして、Cランクの冒険者に認定されるところからね。ただ、調査の内容は下手な依頼よりもずっと危ないから、判断は慎重にね?」


 異変の情報を集めるべく調査を開始していることが分かったものの、このままでは特に出来ることは何もない。今後はより綿密な計画を立てて行動する必要があると判断したようで、ケントたちはギルドを後にした。




 それからケントたちは自宅に戻ると、これからの活動方針を定めるべく話し合いを始めた。


「どうやら、ギルドも異変に気付いて動いてはいたみたいだな」

「そうだな。とはいえ、あの様子ではまだ何も掴めていなさそうではあるが」


 対応策を練ろうにも異変の原因が分からないことには手の打ちようがない。ギルドとしても、今はまだ有力な情報を集めている段階にあった。


「それで、俺たちも調査に参加するか? と言っても、現状だとリューテとマヤにしか参加資格はないけど……」


 ケントは他の仲間にそのように尋ねてみる。自身はまだ参加できないものの、ひとまず全員の意向は確認しておきたかった。


「私は参加するつもりだ。もし魔物たちの異変が単なる偶然じゃないのだとしたら、原因を突き止めない限りこれからも凶悪な魔物が増えていく。そうなれば、私たちもどのみち無関係ではいられなくなるだろうからな」

「うん、私もそう思う。調査を受ける人の数が多ければそれだけ解決も早くなるし、これ以上魔物に脅かされる人たちが増えないように、私も出来る限りのことをするつもりだよ」


 リューテは参加の意思を示し、マヤもまた彼女に賛同する。今以上に事態が悪化することによって、多くの人々が巻き込まれることになるのを未然に防ぎたいというのが、二人の考えだった。


「君たちはどうする? ララベルさんが言っていた通り、これからの依頼はどれも一筋縄ではいかないような危険なものばかりになるだろう。命が惜しいのであれば、調査には参加しないというのも一つの道だ」


 リューテは反対にケントたち四人に問い返す。

 もし参加するというのであれば、今後受けることになる依頼はたとえケントの能力を考慮したとしても無事に切り抜けられるとは限らない命懸けなものになる。一方、調査とは何の関係もない依頼であればそのような不測の事態が起こる可能性は低く、比較的安全に冒険者稼業を続けることが出来る。まだDランクの四人にとっては、ここが運命の分かれ道と言えた。


「……俺は参加したいと思ってる」


 リューテの問いに真っ先に口を開いたのはケントだった。彼は決意の宿った強い眼差しで仲間の顔を見ながらこう続ける。


「俺は別に皆ほど強くもないし、命だって惜しくないわけじゃない。だけど、俺にしか出来ないことはある。たとえこれからの道のりが険しいものになるんだとしても、安全な場所で問題が解決するのを祈るだけなんて、そんなのは死んでもごめんだ」


 冒険者としての腕は他の仲間より一段劣るにしても、ケントにはキスした者の傷を治したり強くしたりするという唯一無二の力である。

 以前の彼は、誰かに話すことすら(はばか)れるこの力をあまり好んではいなかった。しかし多くの信じられる仲間と出会い、そして今回の異変の話を聞くうちに、彼は自分も仲間のために出来る限りのことをしたいと、そう思えるようになっていた。


「そうね。私も、ここまで一緒に過ごしてきた大切な仲間を置いて逃げたりなんかしたら、絶対に後悔するもの。それに、村で私を応援してくれているお父さんとお母さんにも顔向けできなくなる。だからまずはCランクに上がって、それから皆と一緒に戦うわ!」

「危険なんて、今までだって何度も乗り越えてきたじゃないですか! 皆さんと一緒なら、これからも何も変わりません。ワタシももっと強くなって、人々の生活を脅かす魔物どもを成敗してやりますよ!」


 続けて、エルナとソニアも調査への参加の意思を示す。仲間のため、そして自分の信念のためにあえて茨の道を進む覚悟があるのは、二人も同じだった。

 それを聞いたリューテは、最後にニュクスにも視線を向ける。


「ニュクスちゃん、君はどうする?」

「私は……」


 そこまで言うと、ニュクスは俯いて黙ってしまう。その表情はまるで雨雲に覆われた空のように暗く悲しげで、何かを迷っていることは明白だった。

 そんな彼女を気遣うように、リューテは優しく笑いかける。


「まあ、命が掛かってる以上、すぐに決められることではないだろうからな。ゆっくり考えるといい」

「はい、済みません……」

「とはいえ、何にしてもまずはCランクへの昇進が先だな。君たちの腕前ならそう時間は掛からないだろうが、くれぐれも油断だけはしないようにな?」


 ニュクスの返答がまだだが、大筋としては調査に参加するという方向性で決定した。各々が自身のすべき事を確認したところで、その場は一旦お開きとなった。

 





 そして夜。ケントが就寝の用意をしていると、不意に彼の耳に扉を叩く音が聞こえた。


「……? 誰だ?」


 こんな時間に自分を訪ねてくるのは珍しい。そう思いながら、ケントはおもむろに扉を開ける。


「夜分遅くに失礼します、ケントさん」


 そこにいたのはニュクスだった。どうやら、同室のエルナが先に寝たのを見計らって、こっそりとケントの元に来たようだった。


「ニュクス? どうしたんだ?」

「その、あなたに謝りたいと思いまして」

「謝るって、一体何を……」


 ニュクスに謝られるようなことをされたかというと特に身に覚えはなく、ケントは困惑する。


「……まあ、立ち話で済ますような話でもなさそうだし、まずは一旦部屋に入るか?」

「…………」


 ニュクスが無言のままコクリと頷いたのを見て、ケントは彼女を部屋の中に招き入れる。


「しかし、今晩は冷えるな。これ、よかったら使うか?」

「ええ、お気遣い感謝します」


 ニュクスはケントから掛布を受け取ると、それを羽織って彼が寝ようとしていた布団の側の床に腰を下ろす。

 そしてケントも布団の上に腰を下ろしたところで、先程の話の続きを再開した。


「それで、さっきは謝りたいって言ってたけど、どういうことなんだ? 何かされたなんて覚えはないけど」

「その、三日前のことです。私はマヤさんのことで、あなたを責めてしまいましたよね? そのことでずっとモヤモヤとしていて、あなたの顔を見るのも辛くて……」


 少し前、ニュクスはマヤを中心としたアデルマギア家の家庭事情を巡ってケントやソニアと口論になり、二人と真っ向から対立した。しかし、必要以上に干渉すべきでないという彼女の主張とは裏腹に、ケントの行動によってマヤは父親との関係を改善し、新たな一歩を踏み出すきっかけとなった。

 結果としてケントの行動が正しかったことでニュクスは気まずい気持ちになり、あれ以来彼とはろくに口も聞けていなかった。


「……なるほど。それで今日の朝、俺が話し掛けても元気がなさそうだったのか」

「本当に、申し訳ありません。あなたのことを感情的になり過ぎだと言いながら、私の方が余程感情的でした」

「いや、お前の言ってたことは何も間違っちゃいないさ。実際、あの時はマヤが可哀想ってことばかりで、皆の気持ちにまでは頭が回っていなかったからな。むしろ、俺の方が謝りたいくらいだ」


 ケントの行いは紙一重で正しかったに過ぎない。仮にマヤの父親がもう少し心ない人物だったとしたら、それだけで誰も幸せにならない結末となっていた。

 その事に気付かず自身の正義感だけを振りかざしていたずらに場を乱したのは、他ならぬ彼の失態である。


「それに、あれからリューテに言われたんだ。『君が誰かのことを真剣に思うのと同じように、君のことを真剣に思う人もいる』って。ニュクスがああ言ったのは、俺のことを真剣に思ってくれてるからこそなんだろ?」

「……ふふっ、やっぱりあなたは優しい人ですね。私のことを、そんな風に思ってくれるなんて」


 ニュクスは微笑むも、すぐに表情を曇らせる。


「ですが、違います。そうじゃないんです。私はあなたが思うほど、綺麗な人間ではないですから」


 そして身体を前に倒すと、おもむろにケントに抱き付いた。


「えっ、ちょっ、ニュクス!?」


 ニュクスは彼の胸元に自分の胸を押し当てるようにして床に押し倒すと、互いの息づかいが感じられるほどに顔を近付ける。


「いやその、これ、柔らか……じゃなくて! えーっと……」

「ケントさん」


 薄いレースの寝間着越しに伝わる柔らかな二つの感触に狼狽えるケントをよそに、ニュクスは敷き布団に両手をついて少しだけ顔を離す。


「私が怒ったのはあなたのためではく、自分のためなんです」

「ニュクス……?」


 それまで慌てふためいていたケントだったが、ニュクスの言葉を聞いて、そして吸い込まれそうになるほど悲しげな目を見たことで平静な状態に引き戻されずにはいられなかった。


「気付いていますか? 私たちの中心にはいつも、あなたがいるんですよ?」


 そこまで言うと、ニュクスは更にこう続ける。


「あなたはいつだって、困っている人や苦しんでいる人を見捨てようとはせず、どのような逆境にも勇敢に立ち向かってきました。今日だって、より危険な魔物と戦うことになる道を迷わずに選んだ。そんなあなただからこそ、私たちはここまで一緒に付いてきているんです」


 ケントはこれまで、エルナをはじめとした多くの仲間の信用を勝ち得てきた。それは彼が強いからというわけではなく、かといって特別な能力を買われてというわけでもない。ひとえに、彼の人柄に依るところが大きかった。


「いや、俺はそんな大層な人間じゃない。あの時お前を改心させられたのだって、エルナがいなければ出来なかった。もし俺が勇敢なんだとしたら、それは皆がいてくれるからこそだ」

「謙遜することはありません。たとえ自分一人の力ではなくとも、あなたの姿に多くの方々が勇気付けられてきたのは事実です。恐らく他の皆さんも、そのことを否定したりはしないでしょう」


 特別な能力を持っているものの、それだけに頼らず自分自身も鍛え、今では肉体的にも精神的にも冒険者を名乗るのに恥ずかしくないくらいまでに成長した。  

 そんな彼の姿を、誰もが好意的に捉えていた。


「ですが、同時に不安になるんです。その勇敢さのせいで、いつか無茶をし過ぎて死んでしまうのではないかと。もしそうなれば、私は……」


 そこでニュクスは一度、床に肘をつけるようにして姿勢を変え、鼓動を確かめるようにしてケントの胸元に頭を預けた。


「ケントさん。私にとってあなたは、私の進む道を照らしてくれる光なんです。あなたやエルナさんたちがいてくれるから、私は迷わずに歩くことができるんです」


 そしてケントとの付き合いの中で、自身の内に燻り続けていた心情を吐露した。


「お願いです。どうかもう、無闇に命を懸けるのはやめてください。もしあなたがいなくなれば、私はまた誤った道を進んでしまうかもしれない。暗い闇の中で、どうすればいいのかも分からず足を踏み外してしまうかもしれない。それが、たまらなく怖いんです」


 両親を殺された上、追い討ちをかけるように騙された経験からニュクスは人を憎み、道を踏み外してしまった。そんな彼女の手をケントとエルナが取ったことで、彼女は再び正しい道を歩むことが出来るようになった。しかし、それは大切な人を失う恐怖を乗り越えたというわけではない。あれから数ヶ月経った今でも、彼女はその手を離せないままでいたのである。


「……すみません。自分勝手なことを言ってしまいましたね。私は、あなたのそんな所が好きなのに」


 ニュクスは悲しげな笑みを浮かべてケントの頬にそっとキスをすると、起き上がってケントに背中を向ける。


「ケントさん。例えこの先どのような危険があろうと、私が命に代えてでもあなたを守ります。ですから、先程言ったことはどうか忘れてください」


 命に代えてでも。それを聞いて、布団の上で仰向けになっていたケントは思わず飛び上がるようにして立ち上がった。


「待ってくれ! 何も、俺なんかのためにそこまで……!」

「いいんです。あなたとエルナさんがいなければ、私の命はあの時に失われていました。だから、この命はあなたやここにいる皆さんのために使いたいんです。それこそが、私が生きる唯一の意味ですから」


 そして悲痛な決意の言葉を残して、そのまま部屋を出ていった。


「ニュクス……」


 普段からケントには明確な好意を示しているニュクスだが、今だけはどうにも様子が違う。

 どうにかしたいと思うもかける言葉は見つからず、ケントは自室に戻ろうとするニュクスの後ろ姿を、ただ見送ることしか出来なかった。

ここまでご覧いただき、誠にありがとうございました。


次回以降もお付き合いいただけますと幸いです。


最後に、評価・ブクマ・感想等いただけますと大変励みになりますので、よろしければお願いいたします。

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