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1章 05.モンスターとの契約

俺は、あれからどれくらい眠っていたのだろう。


もう、外は暗い。


「帰るか。」


俺は、1人でホームまで帰る。


ホームに着き、ドアを開けると、


「弟くん、大丈夫?あたしが弟くんを殴ったやつこらしめたから。」


「大丈夫だし、そのことは知ってるよ。ロシェルが教えてくれたから。」


「弟くん。今日の朝と違ってだいぶ変わったね。僕から俺に戻ってる。昔の弟くんに戻ってきたのかな。」


「そうかもしれないな。でも、昔の俺にはならないよ。」


「そうなんだ。よかった〜。また、あたしの事なんてどうでもよくなるのかと思って心配したよ。」


「姉さんは、ほんと俺のことが大事なんだな。」


「うん。当たり前じゃない。あたしは弟くんのためなら、なんでもできる自信がある。」


「そうか。ありがとう。」


「何よ、そんなこと言われると照れるじゃない。」


「そうだ、姉さん。ホームすごく綺麗になったな。」


「ふふん。すごいでしょ。あたしが掃除したんだよ。」


「すごい、すごい。」


「本当にすごいって思ってる?」


「思ってるよ。」


「ふーん。そうだ、弟くんのためにご飯作ったんだ。食べてみてほしいな。」


そう言って、姉さんは俺を、リビングに連れて行く。


そこには、とても美味しそうなご飯が置いてあった。


「遅かったね。ユウマくん。待ちくたびれたよ。ほら、一緒にご飯食べよう。」


「ああ。そうだな。」


「「「いただきます!」」」


と、姉さんとアーサーさんと俺で同時に言った。


「うまいな。」と俺が言うと、眠っては嬉しそうに、


「そうでしょ、そうでしょ。いつか、弟くんに手料理食べさせてあげたかったから、頑張ったんだよ。」


「そうか。姉さんなら、良い嫁になるんじゃないか?」


「………。」


何で黙るんだよ。


恥ずかしいじゃねぇか。


そこから姉さんは喋らなかった。


「ごちそうさまでした。美味かったよ、姉さん。後、今日は早く寝たいから、お風呂先に入るな。」


俺はそう言い残し、その場を離れ、お風呂に入った。


お風呂に入って、姉さんが綺麗にしてくれた、俺の部屋に行き、寝ようとしながら、こんなことを考えていた。


明日からどうしたらいいんだろう?と。


そう考えていると、知らないうちに眠りについていた。


それから、俺は寝続け、朝日が昇ってきている時間に目を覚ました。


そして、腕に何かが乗っている事がすぐ分かった。


それで、腕に乗っている何かの正体もすぐに分かった。


姉さんだ。


何で俺と同じベッドで寝ているのかと思ったが、俺は姉さんを起こさないように腕をどけ、学園に行く準備をし、制服を着る。


そしてしばらくしたら、姉さんが起きた。


「おはよう、ユウマ。ちょっと待っててね。朝食作るから。」と言って、リビングに向かった。


姉さんが俺のことを名前で呼んだだと。


どういうことだ?


何かあったのか。と思ったのだが、姉さんが俺のことを名前で呼ぶ理由がわかったような気がした。


多分、俺が昨日言った、姉さんならいい嫁になるんじゃないか。という言葉のせいだろう。


義理の姉弟だから、結婚できるだろうし。


そう考えてた時、


「ユウマ、朝ごはん出来たよ。」との声が。


考えても意味ないか。


俺は、朝食を食べに、リビングに向かった。


朝食のメニューは、いかにも朝食ってメニューだ。


トーストに、ベーコンエッグ。


俺はそれを食べ終え、歯を磨き、靴を履き、ドアを開けた。


そしたら、姉さんは


「いってらっしゃい。」と言ってきた。


だから俺は


「いってきます。」と言い、学園に向かった。


学園に向かっている途中、ロシェルが話し掛けてきた。


「ユウマくん。もう、体は大丈夫?」と。


「大丈夫。もう、何ともないよ。」と言い返した。


「ユウマくん。何か変わったね。」


「どこらへんが?」


「何か不自然じゃなくなった。」


「そうか。」


やっぱり少しずつ、戻ってきてるのか。


「学園に着いたぁ。」


「そうだな。」


そう言って、学園内に入り俺たちは教室に向かった。


そして、教室に入った瞬間、俺にみんなの視線が集まった。


わかっていた。こうなることは。


だって、あんなことしたんだから。


「ロシェルさん、テンノウジ ユウマは危険。だから、離れなさい。」


先生までもがそんなこと言い出した。


「ユウマくんは、危険なんかじゃないよ。」


「何言ってるの。見たでしょ昨日、テンノウジ ユウマがダニエルくんを殴ったとこ。」


は?


先生の言っていることがわからない。


俺は、何を言ってんだと言おうとしたが、エミリーが、「ダニエルの魔導書の特典だと思う。ダニエルの魔導書は記憶操作がつかえるものだと思うよ。」


記憶操作。


その記憶操作で、俺とロシェル以外の記憶を改ざんした、ということか。


なんという、特典だよ。


そう考えてると、チャイムが鳴り始めた。


俺は、自分の席に座りたいのだが、どこだかわからない。だから、


「先生。俺の席はどこですか?」と尋ねた。


そうすると先生は、「あるわけないじゃない。もし、あったとしても、座らせない。立っていなさい。」


「そうですか。わかりました。」


腹はたったが、キレる気は全くしなかった。


それからは、ホームルームが始まり、みんな2人1組のペアを作り始めた。


その理由は、今日、魔物と契約するため。でも俺たちは魔物と1人で契約するには、危険らしい。

だから、2人1組なんだってさ。


でも、俺組む人いないんだよな。


「皆さん決まりましたか。決まった人は、前の黒板に名前を書いていってください。」


みんなは次々と名前を書き始めた。


「あら、テンノウジ ユウマの他に1人残っていますね。えーと、ソフィーさん。申し訳ないけど、テンノウジ ユウマとペアを組んでください。それでは、皆さん。魔物と契約しに行きましょう。」


みんなは教室から出ていく。


俺とソフィーと呼ばれる少女を残して。


「あの。ソフィーさん。ごめんな。俺みたいなやつと組むことになって。嫌だっただろ。」


「嫌じゃない。私はテンノウジくんがしたことは正しいと思うから。」


「そうか。そう言ってくれると嬉しいな。っていうか、ソフィーさんは記憶操作されてないのか?」


「あれぐらいの記憶操作、私の魔導書の前では無意味。」


ソフィーさんの魔導書は魔法を無効できるのかもしれない。


「ふーんそうなんだ。少しの間よろしくな。ソフィーさん。」


「よろしく。後、ソフィーでいい。」


「じゃあ、俺もテンノウジでも、ユウマでもいいよ。」


「わかった。ユウマ。」


「おう。」


無事に俺たちは打ち解け、みんなに遅れて、教室を出た。


俺たちは遅れて出た分、急いで目的地のダンジョンに向かった。


俺たちは、ダンジョンに遅れてついたから、もうみんなは、モンスターと契約していた。


「なぁソフィー。モンスターと契約ってどうするんだ?」


「そんなことも知らないの?」


「そうなんだよ。俺、今日から1週間前ぐらいの記憶しかないから。」


この、世界での記憶はな。


「そうなんだ。悪い事を聞いちゃったかな。それじゃあ教えてあげる。」


「お願いします。ソフィー様。」


「からかわないで。」


「すみません。」


「契約するのは、簡単だよ。魔導書を開き、こう唱える。『汝、我と契約せよ。契約するならば、ここに印を示したまえ。』と。それで、契約が成立すれば、魔導書に契約したモンスターの名前が浮かび上がる。簡単でしょ。」


「あぁ、簡単だな。それと契約するときに魔力とか使ったりする?」


「使うに決まってるでしょ。」


「ですよね。」


どうしよう、でもまぁどうにかなるだろう。


「ソフィーが先に契約したらいいよ。俺は周りを見張ってるから。」


「うん。そうさせてもらう。」


さっそく見つけたのか、走っていく。


ソフィーが止まったのは、うさぎみたいなモンスターの前だ。


ソフィーは、うさぎに対し『汝、我と契約せよ。契約するならば、ここに印を示したまえ。』と。


そして、ソフィーは魔導書を確認し、うさぎを連れて俺の元へ駆け寄ってきた。


「契約完了。」嬉しそうにそう言った。


「そのうさぎなんてモンスターなんだ?」


「ジャッカロープ。」


ジャッカロープって、ツノうさぎだよな。


ジャッカロープってモンスターなのか。


「そうか。じゃあ、次は俺だな。」


俺は周りを見回す。


そして、俺の目に映り込んだものがあった。


俺は、それの近くに近寄った。


ソフィーも俺についてきていてそれで ソフィーは、「あれは、悪魔。あれはまだ下級悪魔だけど、油断してはダメ。それに悪魔と契約した人なんてあの英雄以外に。」と言ってきた。


俺は悪魔とかどうでもよかった。


ただ単に契約したいだけ。


俺はその悪魔に『汝、我と契約せよ。契約するならば、ここに印を示したまえ。』と。


そしたら、その悪魔は俺に気づいたらしく、急に泣き出した。


「何で泣くんだよ。そんなに契約するのが嫌なのか。」


「違うの。私は悪魔は悪魔でもとても弱くて、悪魔にも必要とされなかったから、あなたに契約を持ちかけられて嬉しかったの。」


「そうなのか。それじゃあ、俺と契約してずっと俺と一緒にいようぜ。」


「はい。お願いします。」


俺は、魔導書を確認した。


魔導書には、ちゃんと悪魔の名前が書いてあった。


ヴァンパイアと。


俺はその時思った。


ヴァンパイアって普通に有名で強い悪魔じゃなかったっけ。と。














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