前編
3話完結と、話数宣言して書くのは初めてです。
昔々、あるところに小さな王国がありました。
小さな王国ですが、平和で人々は幸せに暮らしておりました。
そんな王国には、一人の王子がおりました。
王子は素直で優しい性格の人柄で、皆にとても慕われておりました。
そんな王子がよく訪れる場所がありました。
森の奥のそのまた奥の場所に、ひっそりとたたずむ魔女の庵です。
魔女は人々からはその知識の深さを敬われつつも、その強力な魔力を恐れられている存在でした。
人は時にその魔女がつくる薬を求めるより他、滅多にその場所には足を踏み入れることはありませんでした。
そんなところに、何故王子が度々足を運んでいるかと言うと……。
「ねえ、早く私と結婚して欲しいな。まだ決心はつかないの?」
求婚をしていたのでした。
「決心も何も、何度も断っているでしょう。しつこい男ね。王子様は王女様と結ばれて幸せになりました、これが定番でしょう。どこの世界に魔女を未来の王妃に据えようという者がいるの」
魔女はそれを断っているようです。
「ここにいるよ? たまには魔女と結ばれて幸せになった王子がいてもいいと思うけど」
にこにこと王子はそう言って笑います。
「よくありません。それに、誰にも祝福なんてされはしないでしょう。私は恐れられている魔女なのだから」
「んー」
王子はきょろきょろと辺りを見渡しました。
「君がこんなところに引きこもっているからじゃないの? ここもなんかじめっとして暗いしさ。もっと城下町の方へ出ておいでよ。みんなも君を間近に接したら魔女への潜入観念なんて、あっという間に吹き飛ぶよ」
「んもう、何言ってるのよ。それにここにいるのだって訳があるの。ここには珍しい植物が採取できるし、薬づくりの際に発生するものすごい匂いもここでなら問題ないし、家の中が暗くてジメジメしてるのは採取した植物やつくった薬の保管にちょうどいいからなの。町へこいだなんて気軽に言わないで欲しいわ」
「ふーん、そっか。じゃあここは君の仕事の家としてこのまま残せばいいね。で、いつお嫁にきてくれる?」
「……あなた、人の話聞いてる?」
「うん、聞いてるよ。ねえ魔女、愛してるよ」
「……聞いてないじゃない、もう」
そう言って魔女の顔が頬を膨らせつつもほんのりと赤くなるのを、王子は愛おしそうに見つめるのでした。
王子が求婚し、それを魔女が断る。
そんな日々が続いたある日のこと。
「魔女よ、すまない。王子にはわからないようにこの国を出て行って欲しい」
そう言って頭を下げたのは、この小さな国の王でした。
「王子が君を妻に、と望んでいるのは聞いていた。君がそれを断っているもの。だからいつか飽きるだろうとも。しかし、王子の気持ちが変わる様子はない。王子の妻に、魔女では駄目なのだ。だから、すまないが……」
魔女はそんな王を目の前にし、しばらく呆然としていましたが、やがて小さく頷きました。
そこには諦めに似た笑みが浮かんでおりました。
こうして魔女は姿をくらましました。
王子は必死になって探しましたが、魔女が見つかることはありませんでした。
だけど、中編・後編一文字もまだ書いてないです。
宣言通りできるかチャレンジですね。




