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第93話 ダリス国の竜騎士にゃ

 俺達は、マキシスに案内され、砦内の会議室に通された。

「私は、砦を任されているマキシスです。竜騎士団の一員でもあります。」

「竜騎士?」

 竜騎士と言っても、にゃんこ騎士の様に猫の姿になる訳ではなく、龍をパートナーに戦う騎士である。

「我が国は、龍の住むアリストン山に接していますので昔から龍と共に闘う竜騎士がおります。」

「それは、格好いいにゃ。」

「竜騎士を目指す者は、パートナーとなる龍を求めてアリストン山に入ります。しかし、戻って来るのは3人に1人程度ですので最近は挑戦する者も少なくなってきています。」

キシャァー!

 その時、建物の外から鳴き声が聞こえて来た。

「おぉ、迎えの飛龍が来たようです。」

 表に出ると砦の中庭に旅客ジェット機程の大きな翼の飛龍が降りたっていた。

「ひゃー、でかいにゃ。」

 すると飛龍の方から人が近づいて来た。

「竜騎士団輸送班のゴードンだ。あんたがにゃんこ騎士の来人かい?」

 ゴードンはブロンドの髪を短く刈り上げアメリカンフットボールの選手の様な体型の男だ。笑う度に爽やかにキラリと歯が光っている。

 ゴードンの身に着けた黒い甲冑の胸には龍の紋様が刻まれている。

「俺が来人にゃ。」

「豹のような男だと聞いていたが随分小さいんだな。」

「来人、あなたイメージだけが先行して物凄い魔獣みたいに思われているんじゃない?」

「エリスの言うとおり、噂と実際に来人を見たギャップに戸惑ってるみたいね。」

「複雑だにゃ。」

「まあ、気にするな。すぐに出発するから、乗ってくれ。アナ、案内を頼む。」

「アナです。ゴードン様の従者をです。皆さんこちらへ。」

 ゴードンの横に立っていたパリコレモデルの様なショートヘアの美人が話し掛けてきた。

「それでは特使の方々を頼んだぞ、ゴードン。」

「任せておけ、マキシス。」

 アナに案内され、飛龍の背に登ると飛龍は、リュックを背負う様に列車の車体の様なものがついていた。

「こちらにお乗りください。」

 中に入ると旅客機の客室の様に前に向けて椅子が並んでいた。

「兵の輸送用で30人を乗せることが出来ます。」

「大きさの割りにあまり運べないんだにゃ。」

 それでもこの世界において空から兵の輸送を出来ることは、軍事的に画期的なものである。

「それでは皆さん座席に着きましたらベルトの着用をお願いします。離陸後は機長の指示があるまで外さないで下さい。座席の下に救命胴衣がありますが内陸ですので省略します。それでは空の旅をお楽しみ下さい。」

 アナの案内が終わると同時に座席が90度傾き、飛龍はロケットの様に真上に一気に上昇した。

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