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第81話 戦いの後にゃ

 黒龍王アスラは闇の妖精ダークエルフティアを連れて北に向かって飛んでいた。

「アスラ様、このままモーリス島へ向かいましょう。」

「ぐっ。」

 アスラは顔を歪ませ地上に降りると膝をついた。

「アスラ様、いかがされました。」

「ぐう、ナーガの奴め!まだ、私の邪魔をするのか。」

 アスラの漆黒の甲冑に金色の光りの鎖が絡み付いている。

「大丈夫ですか、アスラ様。」

「心配はいらん。」

 アスラの甲冑に浮かんでいた金色の光の鎖が徐々に薄れて消えた。

「まだ少し時間が必要か…。」

 アスラは立ち上がると再び北に向けて旅立った。

 ミシワールとローマシアの国境付近の戦場跡では年寄りとなってしまったシェードとその配下の兵が捕虜となっていた。

 魔物もそのほとんど地龍が暴れた際に逃げ出していたが残されたものも大方退治してしまっていた。

 そんな中、闇ギルドのギルとオーランの二人はオーランの作った岩の中に潜んでいた。

「ギル、これからどうするんで?」

「シェードの旦那がじいさんになって捕まった以上ここにいても仕方がねえ。俺は東に北に逃げようと思っているがお前も一緒に行くか?」

「俺も一緒に行ってもいいのか?」

「当たり前だろ、俺達はもうコンビだろ。」

「ギル!」

 こうして、元闇ギルドのギルとオーランは北へ向かって逃げて行ったのである。

 さて、今回の騒動の元凶であったドーラ、ジュノ、ギリアの3人であるがあの地龍が暴れている中、しぶとく生き残っていた。

 だが結局ミシワールの特務部隊に捕まっていた。

 俺達の前に座った三人はまるで幼稚園児の様な姿であった。

「あたち達をどうしよってのよ!」

「ティアにそそのかされただけなんでちゅ。」

「命ばかりは……」

 3人にはもう反抗する力も気力も失せて怯えてしまっていた。

「それでこいつらはいかがします。マリウス王よ。」

「私が決めるのですか?私はカザン王に助けられた身の上、ここはカザン王の判断に従います。」

「しかし、実際に酷い目にあったのはマリウス王ですしな。」

 マリウス王もカザン王も幼い子供の姿にされた3人の魔人に同情こそしていなかったが厳罰を言い渡すのをためらっていたのだ。

 その時、ミーナが口を開いた。

「よろしければ3人の処遇は私に任せていただけないでしょうか。あれだけの悪事を働いた魔人といえ、今はただ怯える幼い子供になってしまっています。それに厳罰を下せば、カザン王とお父様の名前に傷が付くだけですわ。」

「それもそうだが、どうするつもりだ。」

「ローズに預けてみてはどうでしょうか。幼い頃から特務部隊で精神から鍛え直してもらうのです。」

「ローズって、ドーラにぶっ飛ばされて何処かに飛んでいってしまったんじゃにゃいか。」

「ホーホホホッ!私は既に戻ってますわ。」

 ローズは高笑いしながら現れた。

「おかマッチョは、しぶといにゃ。」

「来人、何か言ったかしら!」

「何も言ってないにゃ。」

「まあ、いいわ!3人とも私に任せてくださいな!腐りきった根性を叩き直して、真人間、いえ、天使に育て上げてみせますわ!」

「まあ、良い。ローズ、お前に任せる。」

 こうして、幼児の姿になり魔力を失なったドーラ、ジュノ、ギリアはローズの元で雑用係と働くこととなった。

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