第76話 決戦にゃ8
『何をやってるんだ、来人。だらしないぞ、俺っちを使ってるんだ、もっと頑張れ。』
武御雷が無責任に声をかけてくる。
「うるさい、お前、口だけじゃにゃいか。」
俺はドーラの攻撃を電光石化でかわしていた。
変身したドーラの攻撃は一撃で大ダメージ受けてしまう程強力である。
今は力技だけの打撃技がほとんどだから何とか避けている。
だが魔法を織り込んだ攻撃をされたらかなりやばい。
何て思ってたら、物事は悪い方に傾くものでドーラが攻撃の中に魔法を入れてきた。
頭上から降り注ぐ光弾を避けながら強力な突きや蹴りの一撃を避ける。
しかし、そこから更に攻撃まではちょっと手が回らない。
その時、両腕が折れて戦線離脱していたシデンがドーラに背後から斬りかかった。
「ぐぁ、お前は腕を叩き折ってやったはず!」
ドーラが呻き声あげる。
「シデン、どうやって復活したにゃ?」
「ここ、ここ!エリスでーす。援護なら任せてね!」
シデンはエリスの魔法で腕の怪我を回復したのだった。
「音速矢!」
「ぐっ!」
ドーラに矢が突き刺さる。
矢の飛んできた方向にはフィーネがいた。
「私も援護するよ!」
「小賢しい、ゴミが次から次に!」
ドーラは肩に刺さった矢を無造作に引き抜いた。
ドーラがフィーネに向けて手をかざし光弾を放とうとする。
「光視力ビーム!」
ボン!
ドーラの顔面にビームが命中する。
更に上空からブリットが矢の様に落ちてきた。
「からの、キーック!」
ドカーン!
激しい土煙が上がり、ドーラが地面にめり込む。
ブリットは身軽に空中で後方宙返りをして俺の前に降り立った。
「遅くなりました、御主人様。」
壊れた猫耳の髪飾りは新しい物に取り換えていた。
しかし、背中に生えたピンクの羽はそのままだ。
「シデン、エリス、フィーネ、ブリットにゃ!」
「これでチーム妖精剣集合ね!」
ドカーン!
ドーラが土塊を吹き飛ばして姿を現した。
「貴様ら、許さん、許さんぞ!」
ドーラは怒りにワナワナと震えていた。
「皆、いくにゃ!」
「おう!」
「えぇ!」
「イエス御主人様!」
「任せなさい!」
俺達はドーラに向けて突撃していった。