第73話 決戦にゃ5
ブリット対ジュノ、マリウス王とデューク対ギリアの戦いが続いていた。
俺はシデン、カザン王、ローズと4人でドーラに対峙していた。
「カザン王、おとなしく、ミーナ姫、いえ、龍珠を渡してもらえないですかね。そうすれば私も手間がかからなくて済むのですよ。」
「ふざけるな、誰がお前等にミーナを渡せるか。」
「そう言うと重いました。私もしばらく大人していてストレスが溜まっています。少し暴れて発散させてもらいましょう。」
ドーラは人指し指を立て頭上を指した。
ドーラの頭上にはおびただしい数の光弾が浮かびあがる。
「それ、ドーン!」
ドーラが指を振ると一斉に光線弾が降り注いだ。
ドドドドドドドドン!
光線弾は、雨の様に降り注ぎ敵味方の区別なく吹き飛ばしていく。
「何てことするにゃ!」
俺は剣で光弾を打ち返しながら叫んだ。
「これから遊ぶのに場所を空けているだけですわ。」
「引け、下がれ!」
カザン王は兵を下がらせる。
ドーラの相手ではそれなりに腕がなければ足手まといである。
「カザン王、こいつは俺たちにまかせてミーナ姫を守って欲しいにゃ!」
「ここは頼むぞ!ローズ、来人を援護し魔人に当たれ。」
「承知しました。」
カザン王は特務部隊隊長のローズに指示して兵と共にミーナ姫のいる後方まで下がった。
「さて、シデン、来人。まずは私から行かせてもらってもよろしいかしら?」
そう言うとローズは俺達の返事も待たずにドーラに突っ込んで行った。
「何、あなたから死にたいの?」
ドーラが無造作に光弾をローズに向けて放った。
ドーン!
しかし、ローズは光弾を受けるが全く意に介せず、何事も無いかのようにはドーラに接近していく。
「ホホホッ!ぬるいわよ。私の筋肉はそんな柔な鍛え方はしてないのよ。」
ローズの筋肉が膨れ上がり、身体が赤く変わる。
「ローズ筋肉インパクト!」
ローズは全身の筋肉に魔力を込めてドーラに体当たりした。
ドーン!
大きな爆発音と爆風があがった。
ドーラはローズの攻撃を避けずにまともに受けた。
しかし、ローズの攻撃はドーラが両の掌をつき出して作った魔法の盾に阻まれていた。
ドーラは魔法の盾をそのまま光弾に変えてローズに放った。
先程とは比べものにならないほどの爆発が起こった。
ドーン!
「あれー!」
ヒュルルルルル!
ローズは間抜けな悲鳴を残して空の彼方に飛んでいった。
「ローズのおっさん大丈夫かにゃ?」
「大丈夫だろう、あのおっさん。自分で柔じゃないって言ってただろう。」
俺達もローズが飛ばされるのをただ見ていたわけではなかった。
俺とシデンは左右に別れて跳び、同時にドーラに斬りかかった。
だが俺とシデンの剣がドーラに当たる直前で魔法の盾がローズの時と同じく俺達の攻撃を遮ぎる。
「それなら、これでどうにゃ!」
ボッ!
俺は一気に雷神にゃんこモードに変身して電光石化を発動した。
そして、俺は凄まじい勢いで連続して剣を振るった。
ニャニャニャニャニャニャ!
ドーラは魔法の盾で俺の剣を遮っていたが次第に俺のスピードにドーラのスピードを上回り、俺の剣がドーラの身体をとらえた。
ズバッ!
「ぐっ!」