第65話 龍珠のありかにゃ
遥か昔、黒色の龍と金色の龍との戦いがあった。その戦いは、人、ドワーフ、妖精、魔人を巻き込んだ大きなものだった。
魔人達はその大きな力に魅了され、黒き龍に付いた。
人とドワーフと妖精は、正義の元に金色の龍と共に戦った。
戦いは何年もかかり、金色の龍は己の力の大半を使い宝珠を産み出し、黒龍の強大な力を封じ込めた。
人の王、ドワーフの王、妖精の王は、協力して力の弱った黒き龍を北の島に封印したのだった。
この戦いで力を使い果たし、金色の龍は眠りにつき、黒き龍の力を封じ込めた宝珠は龍珠と言われるようになり、戦いに参加した英雄王達の子孫によって守られることとなった。
この世界に伝わる伝説の1つである。
西の塔にはローマシアのマリウス王エレナ王妃が捕らわれていた。
ローマシアは既にドーラやジュノ達魔人の手に落ちていた。
魔人の狙いは龍珠であったのだ。
王と王妃が生かされている理由は龍珠であった。
デュークは西の塔の天窓からドーラと王と王妃の会話を聞きながら素早く頭を回転させ、救出の手段を考えていた。
ドーラはしばらくして王の尋問を諦めて塔から出て行った。
見張りは塔の入口に2名配置された。
デュークはドーラの姿が完全に見えなくなると素早く天窓をこじ開け、王達が捕らわれている部屋の中に降り立つと倒れている王を助け起こした。
「王様、助けに参りました。」
「デュークか、ミーナは、どうした。無事か?」
「無事にございます。今は護衛と共にミシワールに向かっております。」
「そうか、無事なのだな。」
王と王妃は安堵の笑みを浮かべた。
「王様、ここから逃げましょう。」
「デュークよ。先程の魔人の話は聞いていたな。」
「はい。」
「奴等の狙いは龍珠だ。奴等に龍珠を渡してはいけない。龍珠を渡せば黒龍が復活してしまう。デューク、龍珠を守るのだ。」
「それで龍珠は、何処にあるのですか?」
「龍珠はミーナの中に封印されている。」
「ミーナ姫に!!」
なんと、魔人の狙っている龍珠はミーナの体内に封印されていたのだ。




