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第63話 カザン王と会うにゃ

 その日の午後、俺とシデンとブリットは特務部隊隊長のローズに連れられ、軍指令部内の窓の無い広い部屋に案内された。

 部屋の中央に円卓があり、上座には立派な椅子が置かれていた。

 俺達が部屋に着いてしばらくして、ミーナとアリアと一緒に立派な服装の男と少女が部屋に入って来た。

 するとローズが敬礼をして号令をかけた。

「ミシワール国王カザン陛下に敬礼!」

 俺達がキョトンとしているとローズは慌てて声をかけてきた。

「国王陛下よ、敬礼して!」

「ローズよ、良い。お前も楽にしろ。私はカザンだ、この国の王をしている。来人、シデン、ブリットだな。話は聞いておる。喜んでミーナに協力しよう。と言うより逆に力を貸して貰いたい。」

 国王がそこまで話して言葉を止めた。

 するとローズが口を開いた。

「後は私が説明するわ。実のところ我軍はローマシア軍に押されていて、状況は、かなり悪いのよね。」

「そうだろうな、今の状況で一般人から兵を募集している位だからな、かなりヤバイのだろう。」

 シデンが冷静に言った。

「全く、言葉を濁すことなく言ってくれるな。そうだ、今、ミシワールは前線を維持しているだけで精一杯なのだよ。いつ国内が戦場なってもおかしくない状態なのだ。数では大差は無いのだが恥かしい話、ローマシア軍に魔人と魔物が混じっているとは言え、兵の質で我が国はローマシアに劣っているのだ。そこで我軍に力を貸して貰いたいのだ。」

「それは、まかせてくれにゃ!」

「私は御主人様マイマスターに従うだけですので。」

「俺は元々そうするつもりだったからな。でも、俺達が協力したくらいで戦況は大きく変わらないと思うが?」

「それは考えがある。ローマシア兵のほとんどがローマシア王が魔人と入れ替わっていることは知らずに戦っているはずだ。兵がそのことを知れば、前線は乱れるだろう。ミーナを前面に出て、その存在を示すことで話に真実味が出てくるからな。」

「でも、それではミーナが危険だにゃ。」

「良いんです来人。これは私が言い出したことです。」

「それでミーナを守る為、ローズの特務部隊と行動を一緒にしてくれ。ローズはこう見えて強いぞ。」

「王様、お世辞は嫌ですよ。でも3人ともよろしく頼むわね。」

「そういうことなら了解したにゃ。」

「ところでこっちは娘のシイナだ。ミーナとも一緒に行動することが多くなると思うのでよろしく頼む。」

「シイナよ、よろしく!」

 シイナ姫が突然、俺に抱きついてきた。

「本当、アリアの言った通りモフモフして気持ちが良いわ。」

 ウーン、完全に男扱いされていない。俺はぬいぐるみか!

「シイナ止めなさい。来人が困っておる。」

「はーい。」

 別に困りはしないが男としてのプライドが傷つけられるな、最近、男としては全く見られていないもんな。

 こうして、ローマシア戦に対する大まかな作戦の趣旨が決まった。 


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