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第62話 特務部隊にゃ

 俺とシデン、ブリットは歩兵部隊から特務部隊へと配転となり、特務部隊の隊舎に向かっていた。

御主人様マイマスター、アリアが目立つなと言っていたのですがあれで良かったのですか。」

 一番初めに派手に目立っていたブリットが俺に聞いてきた。

「良いんだにゃ。一般兵に紛れてしまったら、偉い人との繋がりなんてできないにゃ。」

「そうだ、あんなところにいたら、腕の立つ相手と戦うことなんてできないからな。」

 バトルマニアのシデンは強敵と戦いたいだから、ちょっと趣旨が違う。

 俺の立てた計画はまず目立って偉い人の認められ、その人を利用してミシワールの姫様に話を通してもらうことだった。

「そうですか。私は御主人様マイマスターに従うまでです。」

「うん、大丈夫にゃ。いかし、特務部隊ってどんな奴がいるのかにゃ。」

「ミシワールの特務部隊のことは聞いたことがある。強いが癖がありすぎて手に負えない者の集団だそうだ。」

「あれ、それじゃあ、偉い人のコネどころか。変わり者の集団ってことにゃ。」

 そんなことを話していたら、俺達は特務部隊の隊舎の前に着いていた。

「どうするにゃ、今から菓子折りでも買いに行くにゃ。」

「そんな物、必要ないようだ。早速、お出迎えだ。」

 特務部隊の隊舎から、癖のありそうな面子がぞろぞろと出てくる。

 えーい、昔の不良ものの漫画かって突っ込みたくなる位の雰囲気をかもし出している。

「お前達が新入りか。ずいぶん強いらしいな。」

 身体がゴリラの様にでかくてごつい男が凄みながら前に出てきた。

「おれはジョーンズだ。今からお前等の歓迎会を行う。」

「いや、腕試しなら、さっき歩兵隊のビリーさんの前でもやったにゃ。今度はペーパー試験てことではないにゃ。」

「ふざけてんのかお前。ここでの歓迎会といったらこれだ。」

 ジョーンズが出したのは、ビールジョッキだった。

「よく来たな新入り。歓迎するぜ。」

 隊舎に入ると酒や食べ物が大量に準備され、宴会会場が出来上がっていた。

「乾杯!」

 いきなり宴会が始まってしまった。

「最近、特務部隊が色物や変わり者の集団ってうわさがたってな。配属が決まったら皆、辞めたり、逃げたりして、ここ数年、新隊員が来てなかったんだ。」

「なんか、良い人たちみたいだにゃ。」

「イエス、御主人様マイマスター。」

「ところで隊長は誰なんだにゃ?ジョーンズが隊長にゃ?」

「隊長か、隊長なら今日はいないぞ。」

 ジョーンズがそう言った後、突然、軽快な音楽が流れ出した。

 そして、中央に置かれたテーブルの上の大きなケーキが突然、半分に割れ、中からビキニパンツ一枚のマッチョな男が踊りながら現れた。

「ハーイ、ボーイズ。歓迎するわ。私が特務隊の隊長ローズよ。」

 おかま隊長だ。

 ジョーンズが真っ青な顔をしている。

「なんで、隊長がケーキの中に隠れているんです。会議で不在だったのではなかったのですか。」

「あら、あなた達が私に隠れてこそこそやっているのを知って、ずーっとケーキの中に隠れていたの。」

「いきなり、隊長を見て逃げられたら困ると思って苦労したのに。」

「何で私を見たら逃げ出すのよ。」

「良い人たちと言ったのは訂正にゃ。変な人達にゃ。」

「皆が隊長と一緒だと思わないでくれ。」

 ジョーンズが鳴きそうな顔をしている。

「まあ、良いんじゃないか。あれも一つの個性だからな。」

 シデンがそれらしいことを言ってまとめたが深い意味はない。

「とりあえず、隊長、よろしくにゃ。」

「さあ、皆、パーティを続けるわよ。」

 宴会は翌朝の夜明けまで行われた。

 大騒ぎをしていたが特務部隊に文句を言ってくる根性のある部隊は全く無かった。

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