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第60話 ミシワールの姫様に会うにゃ

 ミーナとアリアは補給部隊に配属となっていた。

 そうは言っても二人とも若い女の子であることからメイド長のダリアの元で雑用係みたいなものをしていた。

 今は二人で洗濯物を干してる。

「お洗濯も楽しいものですわね。アリアさん。」

「それは普段洗濯なんかしたことの無い人のセリフですよ。」

「そうですね、初めての経験ですわ。でも、アリアさんもエプロン姿似合ってますわよ。」

「そうですか?そう言う姫様もメガネ似合ってますよ。」

「ありがとう、アリア。でも、姫様って呼ぶのと敬語は、やめてね。変に目立つわ。」

「分かった、ミーナだね。」

「でも、これからどうするの、アリア?」

「とりあえず、これで城に入る機会もあるから、ミシワールの姫様に会う機会もあるんじゃない。」

「それって、行き当たりばったりってことじゃないですか。」

「そうも言うかも。」

 ミーナとアリアが洗濯を終えたころ、ダリアが声を掛けてきた。

 メイド長のダリアは丸々とした体系の下町の総菜屋にいる様な非常に愛想の良い50歳位の女性である。

「あんた達、洗濯が終わったら、城内のお掃除をするから、手伝っておくれ。」

「はーい。」

「ほら、言った傍からチャンスが来たじゃない。」

「本当ね。」

 更に幸運なことにダリアに連れられていった場所は、ミシワールの姫様の部屋であった。

コンコン!

「おはようございます、姫様。ダリアでございます。お部屋のお掃除に参りました。」

「お入りなさい。」

 ダリアに連れられて、部屋の中に入ると広い部屋の中に設置されたテーブルで1人の女の子が本を読んでいた。

 女の子はミーナと同じ位の年で男の子の様な服装をしていた。

 この女の子がミシワールのお姫様だ。

「おはようございます、姫様。」

「部屋の掃除だったな。頼むよ、ダリア。」

「姫様、この二人が掃除をしますので。それでは、二人とも頼みますよ。」

「はい、ダリアさん。」

 ダリアは、姫様にそう言うと部屋から出て行った。

「おはようございます、シーラ姫。」

「おはよう……シーラ姫だって!」

「お久し振りです。」

「ミーナ、ミーナじゃないか。前から言っているだろう、私は、シーラじゃないシイナだって。ちょっと、敵国の姫が何でここにいるんだよ。」

「あら、あなたに会いに来たのですわ。」

「そう言うことじゃなくて……」

「アリア、こちらミシワールのシーラ姫じゃなく、シイナ姫。幼いころシイナって言えずにシーラって呼んでたの。」

「私のことをシーラって呼ぶのはミーナだけだから偽者ってことは無いんだろうけど、ここは今や敵国だぞ。何でこんな危ないことをしているんだよ。」

「実は、シイナに助けてもらいたくて。」

「まあ、私に出来ることならするけど。」

 ミーナは自分が殺されかけたこと、ローマシアにいる王と王妃と自分は魔人が化けていること、ローマシアが魔人の手に落ちていることをシイナに説明した。

「簡単には信じられない話だけど、今、ここにミーナがいる以上、本当なのね。」

「信じてくれてありがとう。」

「いや、問題はこの話をお父様、ミシワール王が信じてくれるかってことね。」

「だから、まずシイナに話を聞いてもらうために兵隊に志願したってわけ。」

「あんた、たまたま、私に会えたからいいけど、会えなかったらどうするつもりだったの。」

「まあ、会えたんだから良いんじゃない。」

「しばらく会わないうちにポジティブになったわね。」

「色々、大変な目にあったから、ちょっと位のことじゃ、動じなくなったわ。」

「まあ、ミシワール王のことは、私に任せておいて。」

「ありがとう、シイナ。」

 とりあえず、シイナがミシワール王に会う段取りをつけるまでミーナとアリアは、引き続き補給部隊で雑用を続けることとなった。

「本当、何とかなるものね、アリア。」

「私もここまで順調だと、ちょっと心配になってくるわね。」

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