第58話 ミーナが倒れたにゃ
デュークと分かれた俺達は、ミシワールの王城目指して出発した。
途中でミシワール兵に見つかると面倒なため町や村をさけて進んでいた。
しかもまだミシワール王に会う方法を思い付かないでいた。
そんな中、ミーナが熱を出して倒れてしまった。
気丈に振る舞っているがミーナは、まだ13歳の少女である。
「大丈夫にゃミーナ?」
「すみません、こんな時に。」
「気にする必要はないですよ、姫様。」
しかし、このまま野宿では、ミーナの快復は難しい。
「でも、ちゃんと医者に見せなきゃね。ちょっとシデン、エリス、近くに村が無いか見てきてくれる。」
「分かった、エリス行くぞ。」
「あいよ!」
しばらくして、シデンとエリスは村を見つけて戻って来た。
「少し南に医者がいる村があった。ミシワールの兵もいるが小数だから騒ぎを起こさなければ問題ないだろう。」
「そう言うわけでその村に行くけどあんたたちくれぐれも問題を起こさないでね。」
「分かってるにゃ!」
小さな村であったが、医者がおり、宿屋と酒場もあった。
「ただの風邪ですね。ただかなり疲労がたまっているようですので二、三日は、ゆっくり休むのが良いでしょう。」
「先生、ありがとうございました。」
ミーナはただの風邪であったが俺達は村に二、三日の間、滞在することとなった。
「ミーナも大丈夫そうなんで来人ちょっと酒場に行くか?」
「OK、行くにゃ。ブリット、皆の護衛、頼んだにゃ。」
俺とシデンが酒場に行くと村の警備のミシワール兵が3人で楽しそうに飲んでいた。早速、シデンが声をかけた。
「こんにちは、兵隊さん上機嫌だね。良いことてもあったのかい?」
「ああ、前線で我軍がローマシア軍に勝利したってニュースが入ってな、そのお祝いだ。」
「最近は、かなり押されていたからな。」
「援軍に行った連撃の隊長が大活躍だったそうだ。」
「連撃の隊長?」
「ああ、最近、軍の中で隊長に抜擢されたおかしな格好の拳闘使いらしいがめっぽう強いって話だ。」
たかが一回勝っただけでここまで兵が喜んでいるってことはミシワールが劣勢なのかも知れない。
「お前たちも仕事が欲しいなら王宮へ行ってみな、兵隊を募集中だからな。」
俺とシデンはお互いに顔を見て頷いた。
宿屋に戻った俺とシデンはフィーネ達に俺達の考えを伝えた。
「ミシワール軍に志願するにゃ。」
「ミシワール軍の中で信用できる者を通してミーナの招待を明かす。」
「そうね、いきなり正体明かしても偽物扱いされるかもしれないしね。」
こうして、俺達はとりあえずミシワール軍に志願することとなった。