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第57話 ミーナの決意にゃ

「皆、助かったよ。これでここを通る人も増える。」

「俺達ももう一つ目鬼(サイクロプス)は退治されたって宣伝するよ。」

「それじゃあ、いつかまたここに来るにゃ。」

「じゃあね、ハイザール!」

 俺達はハイザールと分かれ東へ向けて出発した。

「デューク、山を降りたらもうミシワールね。向こうは大丈夫なの?」

 フィーネがデュークに尋ねた。

「山越えは大規模な軍勢の移動には適してはいない。ミシワール側に兵が配置されていても数は少ないだろうが見つからない様に進もう。」

「今更なんだけど、ローマシアとミシワールはなんで戦争しているにゃ?」

「そうか、来人はこっちに来て日が浅いから知らなかったんだね。詳しいことはデュークが詳しいんじゃない、元諜報部員だもんね。」

「今でもローマシアの諜報部員のつもりなんだが……一年前になる国境付近の村がミシワール軍の攻撃を受けた。これに対してローマシアは外交ルートを通じて抗議したがミシワールは事実無根であると突っぱねた。この後、国境付近でいざこざが続き、戦争になってしまった。今思えば裏にあの魔人がいたのだろう。悔しいが俺達、諜報部の失態だ。」

「近衛騎士団の隊長が裏切っていたのだろう。仕方がないさ。」

 シデンがデュークをなぐさめの言葉をかけた。

「でも私はまだシェードが裏切ったなんて信じられないのです。」

「ミーナの気持ちは分かるけど、現時点で魔人側にいるのは確かなんだよね。」

「でもあいつ、玉座の間から逃げる様に言ってたにゃ。」

「そうだな、俺とアリアみたいな雇われ者と違ってシェードは元々、王家に遣えていたからな。どちらにしろ、俺は王様と王妃様のがどうなったか調べるためローマシアに戻ろうと思う。」

「それなら私も一緒に行くよ、兄貴。」

「ダメだ、お前は姫様の護衛があるだろう。我ら一族は受けた仕事は最後までやり遂げるのが掟だぞ。それに一人の方が動きやすい。」

「分かった、姫様は私にまかせてよ、兄貴!」

「シデン、フィーネ、来人そしてエリス、悪いがアリアに手を貸して姫様の護衛を頼む。」

「気にするな!強い敵とも戦えるし、俺は、楽しんでいる。」

「そうよ、水くさいわよ。」

「そう言ってもらうとありがたい。そこで頼みなんだが計画を変更して、姫様をミシワールの王宮に連れて行って貰いたいんだ。」

「デューク、ミシワールはローマシアと戦争しているのよ。」

「この事は姫様からの申し出です。」

「そうです。私がミシワールの王にローマシアの真実を伝えて、協力をお願いするつもりです。元々、ミシワールとローマシアは友好国でした。それにミシワールのシーラ姫とは同い年で仲も良かったのできっと手を貸してくださいます。」

「まあ、敵の敵は味方って考えだな。それでは頼んだぞ。」

 そう言ってデュークは、来た道をローマシアへ戻っていった。

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