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第56話 魔剣武御雷(タケミカズチ)にゃ

 お札の剥がれた剣からは、強い魔力が放出される。

『封印を解いてくれて、助かったぜ。俺っちは、武御雷タケミカズチだ。よろしく!』

 俺の頭の中に声が響く。

「話しかけてるのはお前にゃのか?」

 俺は、剣に語りかけた。

『そのとおり。俺っちは今、相棒が持っている剣だぜ。そして相棒の中にいる雷神とは親友まぶだちだ。』

御主人様マイマスター、その剣は武御雷タケミカズチと言うのですか。」

「そう言ってるにゃ。」

武御雷タケミカズチ、私の名ブリット、よろしく。」

『おう、あんたブリットって言うのか、よろしく。なるほど、相棒とリンクしてるのか、それで俺っちの声が聞こえるんだな。』

「はい、私と貴方との間にもリンクが通じたようですね。」

「来人、ブリット、何か掘り出し物でも見つけたの?」

 フィーネが声を掛けてきた。

「おもしろい剣をを見つけたにゃ。」

「おもしろい剣?」

武御雷タケミカズチってしゃべる剣だにゃ。」

「しゃべるって、来人とブリットが話してるだけじゃないの。」

武御雷タケミカズチだって!」

「ハイザール、知っているにゃ?」

「知ってるとも、別名イナズマの剣と呼ばれる伝説の剣だ。数百年前に所在不明になったと聞いていたがまさか、こんな所にあったとはね。」

「へぇ、お前、伝説の剣にゃんだ。」

『さあね、俺っちは知らねぇよ。俺っちは俺っちさ。』

「伝説では剣だけでも雷属性の攻撃が放てる上、雷属性の力を持つ者が持てばその力を倍増させるはずだ。」

 まさに俺にピッタリの剣である。しかし、力が増したって感じはしない。

「でも、力が倍増って感じはしないにゃ。」

『そりゃそうさ、パワーアップなんてしてねぇからよ。柄を見てくれ、穴が空いてるだろ。そこに、宝玉を入れなきゃダメなのさ。』

「宝玉にゃ?」

『以前の俺っちを持っていた野郎が飲み屋のつけに取り上げられちまったのよ。そのせいで俺っちもその辺のなまくらと一緒になっちまった。』

 俺は武御雷タケミカズチを鞘から抜くと軽く振ってみた。

「まあ、パワーアップしなくても、折れた剣の代わりには、これで十分にゃ!」

 俺はちょいとワケアリだが伝説の剣を手に入れた。

「結局、来人が見つけた剣以外は、ガラクタばかりで大した物は無かったわね。」

 フィーネがぼやく。

「俺は折れた剣の代わりが見つかって良かったにゃ。」

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