第54話 キングの必殺技にゃ
更に俺達の攻撃がキング一つ目鬼を追い詰めていく。
キング一つ目鬼の怒りは、頂点に達していた。
その時、キング一つ目鬼の眼が光りビームが発射された。
『眼カラびーむ!』
「眼からビームってそのまんまやにゃいかーい!」
俺は必死に避けながら突っ込みを入れていた。
しかし、ビームの威力は凄まじくホールの壁が崩れ砦は崩壊し始めていた。
「崩れるぞ、外に出ろ。」
デュークの声に俺達は外に飛び出した。
瓦礫の中にキング一つ目鬼と木馬が埋まっていく。
「やっつけたの?」
「まだだにゃ!」
ドカン!
キング一つ目鬼が瓦礫を吹き飛ばし現れた。
「くそ、化け物か!」
シデンがぼやきながらも突撃していく。
眼から放たれるビームをまともに受けたら流石にハイザールですらやばいだろうし、俺達なら一撃で先頭不能だ。
キング一つ目鬼は、既に狙うことをやめ、凪ぎ払う様にビームを放っている。
「ビームを放っている間は、目が見えてないぞ。」
元々、眼からビームは遠距離攻撃に適したスキルであった。
キング一つ目鬼は、既に最後の力を振り絞って暴れているのだ。
しかし、ここから中々止めを刺せずに手こずっていた。
バキッン!
その時、俺がキング一つ目鬼の左肩に突き立てた剣が折れた。
キング一つ目鬼が俺を狙って振るった斧が俺の剣を折ったのだ。
「くそー、俺の相棒が折れたにゃ!」
俺は、両手を頭上にかざし叫んだ。
「相棒の仇にゃー!|両手で雷撃(ダブルサンダーブレイク!」
俺の両手から放たれた電撃がキング一つ目鬼の肩に刺さったままの折れた剣に直撃した。
バリッバリバリバリ!
肩の剣からキング一つ目鬼体内に直接駆け巡る。
グギャー!
キング一つ目鬼は叫び声あげ倒れた。
そして、そこには一際大きな魔素の結晶体とマジックアイテムの斧、そして折れた剣の先が残された。