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第44話 ロジャー砦で買い物するにゃ

 ロジャー砦の中は小さな町になっていた。

 宿屋、酒場、武器屋、道具屋と一通りの店が揃っていた。

 砦自体が街道を塞ぐように造られており、砦内の関所を通らなければミシワールへ向かうことは出来ない。

 俺達は砦の町へ通じる門を容易く通過し、宿屋で休憩していた。

「私は情報収集に行って来ます。」

 デュークは付け髭とかつらで変装をしていた。

 流石に忍びらしくその変装は実に自然である。

「じゃあ、俺は道具屋に行って来るにゃ。回復用のポーションがもうないにゃ。」

「お供しますわ、御主人マイマスター。」

「余り目立たない様にな、来人。」

「分かってるにゃ。」

 宿屋の入口で俺とブリットはデュークと別れて道具屋に向かった。

 俺がブリットを連れて来たのには大きな理由があった。

 こんな戦場に近い砦の町にブリットの女性体であるブロンドの美人は激しく目立つのである。

 ブリットが目立つことによって俺の存在感が薄れることが狙いであった。

 思ったとおり、人々の注目がブリットに集まり俺の存在はほとんど注目されなかった。

 道具屋に入るとかっぷくの良いおばさんが店番をしており、砦の小さな道具屋にしては品揃えは、豊富だった。

 俺は予定どおりにポーションを買い込み店内を物色していると古びた魔法書が目に入った。

「これは何の魔法書何だにゃ?」

「それかい、分かんないだよ。ずいぶん前に旅の魔法使いが代金の変わりに置いて行ったんだよ。何の魔法かさっぱりでね。呪われちゃかなわないって誰も買わないから安くしとくよ。」

 するとブリットがその魔法書を確認して耳打ちしてきた。

「かなりの魔力を感じますわ。古代魔法の類いかもしれないですね。」

「おばさん、この本買うにゃ!」

「薦めといて何だけどいいのかい、呪われるかもしれないんだよ?」

「いいのにゃ、俺はギャンブラーにゃ!」

 どうせ、にゃんこ騎士の姿になっている俺は既に呪われている様なものである。

「ポーションも結構買ってくれたから、その本はサービスであげるよ。」

「ありがとにゃん!」

「でも、どうなっても知らないからね。」

 俺とブリットが道具屋にいる頃、デュークは酒場で一杯やっていた。

 デュークは既に店員のお姉さんと仲良くなり、会話を楽しみつつ情報収集を行っていた。

「それでお兄さん、砦の向こうで魔物を狩って稼ごうってことなのかい。」

「前線付近の町や村では、男手が戦争に行って魔物退治の手が足りないって聞いたからね。」

「たしかに、この辺の冒険者のほとんどが名を上げようって戦争に行っているから魔物の相手の手は足りてないね。砦を出て街道を少し行った先のオクト村で魔物が出て困っているって話だよ。」

「オクト村だね、行ってみるよ。それでミシワールとの戦争はどうなってるんだい。」

「最近は、静かだね。前線の方でも大きな衝突は無いみたいだね。そうそう、今日、夕方にリーンからの早馬で軍の伝令さんが何か手配書を持ってきたらしいよ。さっき、兵隊さんが酔って言ってたからね。」

『手配書が着ているのか。俺達の手配書かもしれないな。最悪、強行突破になるかもしれないな。』

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