第36話 玉座の間の攻防にゃ2
俺達はシェードとドーラ、王と王妃に化けていた魔人2人と対峙していた。
剣を構えながらシェードは俺達に告げた。
「この城の兵は俺を除いて皆、既に魔人となっている。勝ち目はないぞ。」
確かに王様と王妃様までが魔人で敵になることは想定外だった。
フィーネとエリスが後衛だから直接敵と対峙するのは俺とシデン、デュークの3人である。
魔人の実力は未知数だがゴブリン相手とは訳が違う。
いきなりボスキャラがまとめて4体とは正直、全滅コースだ。
「折角、逃がしたと思っていたお姫様が戻って来たんだから、ここで始末させてもらいましょうか!」
そう言ってドーラがミーナに襲い掛かろうとしたときシェードがドーラの前を遮った。
「シェード、何をする。」
「ここは、俺に任せて貰おうか。」
「いいでしょう、かつての主人の娘を手にかけるのも余興ですね。」
シェードはミーナめがけて走ると剣を振りかぶった。
キィン!!
俺はミーナとシェードの間に飛び込むとシェードの打ち込みを剣で受けた。
ギリギリとも音を立てて、つばぜり合いとなる。
「奴等は強い。戦っても勝てんぞ。隙を見て来た道から逃げろ!」
何とシェードは俺に逃げるように言ってきた。
ギィン!
俺とシェードは間合いを取った。
「流星爆炎!」
シェードが頭上に手をかざすと巨大な炎の球が俺にめがけて飛んできた。
ドォーン!
激しい炎と共に瓦礫とホコリが巻き上がり周囲の視界を遮った。
視界が戻った時には玉座の間には、シェードとドーラ達しかいなかった。
ドーラは呟いた。
「逃げだしたか。まあ、良い。直ぐにかたはつくだろう。」