第30話 女の子の正体にゃ
俺は、エリス、シデン、フィーネと共に宿の一室にいた。
ベッドに先程、助けた女の子が寝ている。
年の頃は中学生位で綺麗なブロンドの髪をツインテイルに束ねた可愛らしい女の子だ。
戦いの後、オーランと倉庫の中でのびていた男を縛り上げて気を失っている女の子を連れて宿に戻ったのだ。
女の子は寝ているところを拐われたのか寝間着姿であった。
「しかし、この子、良いところのお嬢様みたいね。この寝間着シルクよ。」
こんな時は冒険者でもフィーネは女性らしい。
「うーん。」
「あ、起きたみたいね。」
女の子は、目を覚ました。
まだ、寝ぼけているのか、ぼーとしていたが俺達の顔を見渡してつぶやいた。
「おはようございます。あまり見ない方達ですが新しい使用人ですか?」
俺達は、余りののんびりとした反応に絶句した。
「俺達は使用人じゃない。闇ギルドに拐われた、あんたを偶然に来人が保護しただけだ。」
「そうだったのですか助けて頂いてありがとうございます。私は、ローマシア国王マリウスの娘、ミーナです。」
俺達はミーナの言葉に再び絶句した。
「お姫様にゃんですと!」
「お姫様だって!」
「お姫様!」
「皆さんで言わなくても分かります。自分で言うのもおかしいですがお姫様です。」
また、とんでもない展開になってきた。ゲーム並みのイベント発生率だ。