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第272話 悪魔襲来

 突如アリストン山の上空に現れた浮かぶ島は大陸全土から見ることが出来た。人々は怯え各国の王達もその対処に迷うばかりであった。

「フェリシア様、あの空に浮かぶ島は何なのでしょうか?」

 空に浮かぶ島は神聖国フェリシアからも確認することが出来、グミライトライムは神殿で女神フェリシアに尋ねた。

「私にも分かりません。」

しかし、フェリシアもそれは初めて見るものであり答えることが出来なかった。

 アリストン山では頭上に現れた島に龍達は混乱を起こしていた。

「ナーガ様、あれは何でございましょう。」

「我も永いこと生きてきたがあのように空に浮かぶ島などは見たことがない。」

 未だチビ龍である金龍ナーガもまたその島の存在を知らなかった。

 大陸中が空に浮かぶ島に注目している中、島を背景にして一人の人物が浮かび上がった。

 男は金色の髪の美しい青年の姿をしており、その背中には背中には翼があった。

「天使?」

 修一はその姿を見て呟いた。29歳になった修一はアリアと共に忍の里で暮らしていた。

「父上、天使とは何じゃ?」

 修一に寄り添う様に立つアリアの足元には5歳になるあかねがしがみついていた。

「茜。天使は神様の使いよ。」

「だが、あいつは何か禍々しいものを感じる……」

「また戦いが始まるのかしら?」

「分からない。茜を連れて地下室に隠れていてくれ。俺は様子を見に行ってみる。」

「修一、大丈夫なの?」

「俺は大丈夫さ。でも、もしも何かあったら。」

「兄者を頼るのですね。」

「そうだ、デュークの所に行くんだ。」

その時、天使の姿の男が静かに口を開いた。

「私はベルゼビュート。今からこの世界はルシフェル様の支配下である。」

 ベルゼビュートと名乗る男の言葉は圧倒的な力を感じさせた。

「ベルゼビュートにルシフェルだと!悪魔じゃないか。」

「修一、知っているの?」

「いや、俺のいた世界での神話に出てくる悪魔のボスがそんな名なんだ。」

「ほう、こんな辺境の世界でも我らが魔王様の名前は知れ渡っているのだな。」

突然、空からの舞い降りたのは頭に角を生やし翼を持った黒い巨体の悪魔であった。まさにその姿はゲームでお馴染みのアークデーモンである。

「お前達に選ばせてやろう。大人しくその首を差し出して死ぬか、手向かって死ぬかをな、ゲハハハハ!」

アークデーモンは下品に笑った。

空は無数のアークデーモンで多い尽くされていた。

「アリア、行け!ここは俺が引き受ける。」

「ゲハハハハ、逃す訳がないだろう。」

「喰らえ!」

一瞬でアークデーモンの懐に入った修一はみぞおちに拳を叩き込んだ。

ゲブッ!

アークデーモンは白目をむいて膝をついた。

「元ヒーローの力をなめるなよ。」

修一は派手なスーツを着てはいなかったが、スーパーヒーローのパワーに忍の技を取り入れ更に力を増していた。

「父上は最強じゃ!」

手を叩いて喜ぶあかねに修一は手を挙げて答えた。

「一撃でアークデーモンの膝をつかせるとは中々の強さですね。」

気付くとあかねの真後ろに黒髪で長身の男が立っていた。

「アリア!」

「茜!」

アリアは咄嗟に茜の手を引いて男から離れた。

「私は手を出しませんよ。まだそのアークデーモンは終わっていないからね。」

グォー!

アークデーモンは雄叫びを挙げて立ち上がると修一に掴みかかった。

「しまった!」

「茜!」

茜は黒髪の男に襟首を掴まれ宙吊りにされもがいていた。

「離せ!離さないとひどいめに遇わすぞ!」

「どうするというのです?」

黒髪の男は茜を顔の前まで持ち上げると茜に顔を付き合わせてつぶやいた。

「ひっ!」

茜は恐怖に息を詰まらせた。

「娘を離しなさい!」

叫ぶと同時にアリアは黒髪の男に飛び掛かっていた。

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