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第268話 除草剤

 所々で照明の切れた雑貨屋の店内には商品が散乱している。もちろん俺が突っ込んだ時にぶちまけた物もあるが避難時にパニックでも起きたのだろう。商品棚があちらこちらで倒れていた。

「痛たたたっ!思ったより厄介にゃ。でかい上に少々のダメージではすぐに再生してしまうにゃ。」

 俺は身体の上のプラスチック容器等の商品を払いのけ起き上がった。

『来人、どうするのにゃん?』

『どうします御主人様マイマスター?』

 その時、俺が突っ込んで入ってきたガラス戸から3人の量産型ダークニャーダーが入ってきた。こいつらのことはザコと呼ぶことにしよう。

 ザコは俺に気付くと剣を構えて近づいてくる。

「くそ、まだ何も考えついて無いにゃ!」

 俺は何気に手元にあったプラスチック容器をザコに投げつけた。

ザン!

 ザコがは容易くプラスチック容器を身体の正面で斬り落とした。

バシャ!

 しかし、プラスチック容器の中の液体がザコにかかる。

「ギャー!」

 液体を浴びたザコが悲鳴をあげて倒れる。ザコを悶え苦しみながら縮んでいき土塊のようになって崩れた。

 残った2人のザコが動揺したように顔を見合わせた。

「どうなったにゃ?」

『来人、何をしたのにゃん?』

御主人様マイマスター、これは起死回生のチャンスです。』

 俺は近くにあった先程投げつけたのと同じ容器を手にした。

「何々、ウィードキラー羅刹・超強力除草剤にゃのか。」

 俺はニヤリと笑みを浮かべた。

 俺の笑みを見てザコが怯えたように店の外に逃げようとする。

「逃がさないのにゃ!」

 俺は容器の蓋を開け、中身の液体をザコ達に浴びせた。

「ギャー!」

 2人のザコが縮んで崩れさる。

 俺が突っ込んだのはウィードキラー羅刹の特売コーナーだった。


ガシャ!

 俺は割れたガラスを踏みしめ店の外に出た。

 俺の両手には電動式の大きな水鉄砲が握られ、肩からたすき掛けに手榴弾の様にプラスチック容器がぶら下がり、背中にはポリタンクが背負われていた。中身はウィードキラー羅刹がたっぷり入っている。

「キプラ、覚悟するのにゃ!」

 俺はキプラ目掛けて大きくジャンプする。

「やっと出てきたかと思えば誰が覚悟するんだって?笑わせてくれる。行け、我が分身達よ。あの愚かな猫に止めをさすのだ!」

 キプラの分身体である量産型ダークニャーダー略してザコ軍団が俺に襲いかかってきた。

 俺は先頭のザコに水鉄砲を向けると引き金を引いた。

バシャ!

ウィードキラー羅刹を浴びた先頭のザコが倒れる。一瞬、怯んだザコ達に俺は水鉄砲を連射した。

一気に10体程のザコが倒れ土塊と化していく。

「一体どうしたというのだ。私の分身がたかだか水鉄砲の水を浴びただけで倒れるはずはない?」

「もちろんただの水じゃないのにゃ。超強力除草剤ウィードキラー羅刹にゃ。しかも薄めて使うところを原液で使ってるのにゃ!」

「除草剤だと?」

「人の力も捨てたものじゃ無いのにゃ!本体にもたっぷりかけてやるにゃ。」

俺は2丁の水鉄砲を連射しながらキプラに向かって突進していった。

「おのれ!分身達よ、奴を止めるのだ。」

次々とキプラの分身のザコが現れ俺に迫ってくる。

「どけどけ!邪魔にゃ!」

俺の前を数百のザコが埋め尽くす。俺は肩からさげたプラスチック容器をザコ達の頭上にまとめて投げつけ、手から火炎弾を放った。

ボン!

容器が割れ中身がザコ達に降りかかる。

「「「ギャー!」」」

数百のザコが一気に土塊と化し、ザコに隠れていたキプラの姿が現れた。

「止めにゃ!」

俺は背中のポリタンクをキプラ目掛けて投げつけた。

ポリタンクが砲弾のようにキプラ目掛けて飛んでいく。

カッ!

その時、キプラの眼から光線が放たれた。

ボン!

ポリタンクはキプラに届く前にキプラの放った破壊光線により蒸発してしまった。

「しまったにゃ!」

「ハハハハハ!貴様の奥の手は蒸発してしまったぞ!」

キプラは勝つ誇ったかの様に高笑いをして言った。

「くそ、どうしたらいいのにゃ。」

「よくも我が分身をその辺の雑草と同じ様に扱ってくれたな。」

「ぷっ、お前も雑草と同じにゃ!」

「まだそんな減らず口が叩けるのか。」

「分身を使うのはお前だけじゃないののにゃ。」

「何?」

いつの間にか10台の赤い車がキプラを囲むように配置されていた。その運転台にはそれぞれオレノ分身にゃんこが乗っている。

「全車両、放水開始にゃ!」

10台の赤い車から凄まじい勢いで水がキプラにかけられた。

「何だこれは?うっ、ギャー、身体が崩れる。」

「どうにゃ、消防車による除草剤シャワーは!」

グギャー!

キプラはみるみる縮んでいき土塊となって崩れ去った。キプラの最後である。

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