第260話 変身
ガキーン！
雷炎獣にゃんこの雷炎獣抜刀牙をダークニャーダーは手にした剣で受けた止めた。
「この程度の攻撃など簡単に弾き返してやる。」
ガギギギャ！
しかし雷炎獣にゃんこの抜刀牙はダークニャーダーに受け止められても回転を続けていた。
それどころか雷炎獣抜刀牙の回転は更に速度を増していったのである。
「ぐうっ！」
ズズズ！
雷炎獣抜刀牙の威力にダークニャーダーはズルズルと後退していく。
パキッ！
雷炎獣抜刀牙の威力に耐え切れずとうとうダークニャーダーの剣の刃に亀裂が走った。
「ぐおぉー！」
ダークニャーダーは雷炎獣抜刀牙を振り切ろうと渾身の力を込めて剣を振り抜いた。
バキーン！
ダークニャーダーの剣が刀身の中ほどで二つに折れて剣の先が宙を舞い地面に突き立つ。
「く、避けられたにゃん！」
雷炎獣にゃんこは空中で体勢を立て直し地面に降りた。
「おのれー！こんなナマクラいらん！」
ダークニャーダーは折れた剣を地面に叩きつけた。
「剣を捨てて、次はどうやって受けるつもりにゃん！」
雷炎獣にゃんこのコニャコは得意げに言い放った。
しかし、怒りに表情を歪ませていたダークニャーダーが余裕の表情を浮かべ全身に力を込めた。
「光栄に思え！この変身まで見せるのは、お前達が初めてだ、はあーっ！」
空を覆う妖怪の群れから妖力がダークニャーダーへと流れ込んでいく。
『にゃんだ。ダークニャーダーの力が増していくにゃ。コニャコ、今のうちに止めを刺してしまうのにゃ。変身するとパワーアップするのはお約束だにゃ。』
ドーン！
ダークニャーダーの身体は大きく膨らみまるで筋肉隆々のボディービルダーの様な身体のまるで世紀末覇者の大男の様な姿になり、身にまとうよろいもまがまがしくトゲトゲ付きへと変貌した。
『間に合わなかったにゃ。く、見た目以上に化け物みたいな力を感じるのにゃ。』
俺はダークニャーダーが変身により姿だけでなく力の本質が変ったことに気が付いていた。
「大きくなっただけにゃん。見掛け倒しにゃん。もう一度、雷炎獣抜刀牙にゃん！」
コニャコが強がって再びダークニャーダーへと雷炎獣抜刀牙を仕掛ける。
ギュルルル！
先程以上の回転とスピードでダークニャーダーへと雷炎獣抜刀牙が襲い掛かる。
ガシッ！
しかし、ダークニャーダーは片腕、しかも素手で雷炎獣抜刀牙を受け止めてしまったのだ。
「俺は変身をするたびに力がはるかに増すのだよ。」
ダークニャーダーは雷炎獣にゃんこを軽々と振り回しビルの壁目掛けて投げつけた。
ドカーン！
雷炎獣にゃんこは派手な音を立ててコンクリート壁を突き破ってビルの中へと投げ込まれた。
「ちょっと油断したにゃん……」
『コニャコ、油断以前にあいつ洒落にならない位、強くなっているのにゃ。このままじゃやばいのにゃ。』
「来人、おれはもう十分戦ったにゃん。そういう訳でそろそろ交代するのにゃん。」
『ちょっと……』
ボン！
合体の主導がコニャコから俺に移り、それと同時に一瞬で姿が雷炎獣にゃんこから雷炎神にゃんこ改に変ってしまった。
ちなみに雷炎神にゃんこ改の姿は俺１人で雷炎神化した姿と比べると少し毛が長いかなって位しか見た目の違いは無い。
雷炎神にゃんこ改も力はかなり増すのだが変身した後のダークニャーダーが相手だと今更感が強く出てしまう。
「こういう出方は大量得点をされた後に登板する敗戦処理のピッチャーみたいでいやなんだけどにゃ。」
「さぁて、第２回戦と行くか。そうだ、俺はこの片手だけで戦ってやろう。少しぐらいは相手になるかもしれんぞ。」
