第259話 融合合体
コニャコが体内から飛び出したことにより黒騎士にゃんこは動きを止めていた。
「こいつ、コニャコを助け出したんで動かなくなったにゃ。」
動かない黒騎士に止めを刺す絶好のチャンスだった。
だが俺は手を出せずにいた。
にゃんこの本能が迂闊に手を出すなと強く引き留めていた。
ズズズズッ!
黒騎士にゃんこは一気に妖力が増大すると共に姿をダークニャーダーへと変えていった。
「始めましてと言うべきなのかな。オリジナルにゃんこ騎士来人。」
「お前はダークニャーダーにゃ!」
「私のことを知っているのですか?なるほど、分身の記憶を共有しているのですね。」
分身達の記憶が俺に気を付けるように訴えていたのだ。
ダークニャーダーの妖力は黒騎士にゃんこであった時とは比べ物にならない程に大きくなっていた。
「人質のコニャコを奪われたのは計算外でしたがあなた程度の力であればそんなものに頼る必要はありません。実力で叩き潰すだけです。」
「それはこっちの台詞にゃ。コニャコさえ取り戻せば遠慮なく叩き潰せるにゃ。」
俺はとりあえず強がっていたが相手の強さが本物であることに気付いていない訳ではなかった。
「来人、ここはどこにゃん?着物の女の子にもらったケーキを食べたら急に眠くなって……」
のんきにボケをかましているコニャコであった。
「コニャコ、知らない人に物をもらったらいけないって言い聞かせていたにゃ!それにボケていないで一緒に戦うのにゃ!」
「そうだった、あいつはミニにゃんこ達の仇にゃん!俺は動けなかったけどミニにゃんこ達が助けてくらたことは分かっていたにゃん……何も出来なかった自分が情けないにゃん。」
「コニャコ、一緒に仇を打つのにゃ!久しぶりの融合合体にゃ!」
ぶつかるように合体した俺達は燃え上がる炎と雷を纏った四つ足の獣、雷炎獣にゃんことなっていた。
『コニャコ、今回はお前がメインにゃ!しっかり自分で落とし前をつけるのにゃ!』
「グルル、分かったにゃん。」
「そういう力も有ったのか。参考にさせてもらおう。」
「なめるにゃ!」
ゴーッ!
雷炎獣にゃんこはダークニャーダーに炎を吹きかけた。
「何!コニャコに炎の力は無かったぞ。」
ダークニャーダーは身を翻して炎をかわす。
「ただの炎じゃないにゃん!」
バリバリバリ!
炎が更に放電しダークニャーダーを貫いた。
「ぐわっ!」
ダークニャーダーは電撃を受け膝をついた。
「俺達が力を合わせればお前なんかに負けないのにゃん。」
「小賢しい真似を……」
「一気に止めを刺してミニにゃんこ達の仇を取らせてもらうのにゃん!必殺雷炎獣抜刀牙を喰らうのにゃん!」
雷炎獣にゃんこは加速を付けて突進してジャンプをすると勢い良く身体を縦回転させダークニャーダーに牙を叩きつけた。