第255話 ミニにゃんこ部隊対黒ミニにゃんこ軍団
シュー、コー、シュー、コー
黒ミニにゃんこは顔を仮面で覆っており、呼吸をする度に奇妙な音をたてていた。
『ここはコニャコ奪還を優先させる。4番、5番にゃんこは上に上ってコニャコを救い出すのにゃ。1番2番3番にゃんこは俺とここで奴等を足止めするにゃ。』
ミニにゃんこ分隊長は各部隊にゃんこに指示を出した。
『しかし、それでは分隊長達が相手をする数が多すぎるにゃ。俺のミスで奴等に気付かれたのにゃ。俺が残りますにゃ。』
5番にゃんこがミニにゃんこ分隊長に訴えた。
『いいから行くのにゃ。お前がつまづかなくてもここは敵地にゃ、いづれ気付かれていたにゃ。』
『5番にゃんこ。ぐずぐず言っていないで行くのにゃ。』
4番にゃんこが5番にゃんこの首を咥えると一気に大木を登る始めた。
『4番にゃんこ、もう離すのにゃ。自分で登るのにゃ。』
4番にゃんこは無言で5番にゃんこを離した。
『分隊長、直ぐにコニャコを救い出して戻るにゃ。』
5番にゃんこは自分に言い聞かせた。
ミニにゃんこ分隊長と1番2番3番にゃんこは10体の黒ミニにゃんこに包囲されていた。
『4対10。圧倒的に不利なことに違いないにゃ。だが負けるわけにはいかないのにゃ。』
その時、2番にゃんこの背後から黒ミニにゃんこの一体が斬りかかった。
ズバッ!
にゃんこ分隊長が2番にゃんこを襲った黒ミニにゃんこを斬り倒した。
『皆、互いに背後をフォローしあって戦うのにゃ!』
『了解にゃ!』
ズバッ!
更に1番にゃんこが黒ミニにゃんこを斬り倒した。
『数は多いが大して強くないにゃん!4番5番が戻るまで持ちこたえるのにゃ!』
その頃、4番5番にゃんこは木の上のコニャコのところにたどり着いていた。
コニャコは幹の表面に顔だけを出して埋もれていた。
『さて、どうやってこの中から出すかにゃ?』
『とにかく周りの幹を削っていくのにゃ!』
ガシッガシッ!
4番5番にゃんこは刀で幹を削り始めた。
樹の根本では残ったミニにゃんこ達が黒ミニにゃんこを5体まで斬り倒していた。
『こいつら見かけ倒しにゃ。』
2番にゃんこが6体目を斬り倒して言った。
ドスン!
そこにひときわ大きな黒い実が落ちてきた。
パカッ!
実が割れ中から出てきたのは他のくろミニにゃんこより大きく頭全体をマスクで覆って黒マントを身に付けた黒ミニにゃんこであった。
『でかいだけのウドの大木にゃ!』
調子に乗っていた2番にゃんこは不用意にマントの黒ミニにゃんこに斬りかかった。
『待て2番にゃんこ!』
ズバッ!
にゃんこ分隊長の叫びは間に合わず2番にゃんこは斬り倒されていた。
『シューコー、我名はダークニャーダー。わざわざこんなところまでやって来るとはご苦労なことことだが全員ここで消えてもらう。』