第254話 コニャコ捜索
『全員無事にゃ?』
『1から5番にゃんこまで無事でありますにゃ。』
『よし、邪魔が入る前に先を急ぐにゃ。目標は黒騎士コニャコの心臓部にゃ。』
ミニこにゃこ分隊の分隊長と6人のみにコニャコは無事に黒騎士コニャコの口から体内への侵入に成功した。
黒騎士コニャコの体内は人等動物の体内と違って異空間の様な状況となっていた。
『分隊長殿、質問でありますにゃ。』
『何だ3番にゃんこ』
『心臓部に向かうと言ってもここは我々の考える肉体と本質的に構造が違うようですにゃ。』
『そうだにゃ。我々とコニャコ殿は来人殿の分身という点でつながるものがある。コニャコ殿の気配、気を感じて進むのにゃ。全員で集中しろにゃ。』
ミニこにゃこ達はコニャコの気配を捜す為、手を取り合って輪を作り目を閉じた。
『あっちからコニャコ殿の気配がするにゃ。』
『私も感じるにゃ!』
『俺も感じるコニャコ殿の気にゃ!』
ミニコニャコはそれぞれがコニャコの気配を察知していた。
『よし、あっちにゃ。分隊、コニャコ度の奪還に向けて出発にゃ!』
ミニにゃんこ達はコニャコの心臓に向けて出発した。
ミニにゃんこ達が黒騎士コニャコの体内で活動を開始した時、俺は黒騎士コニャコと戦いを再開していた。
俺と俺の分身であるミニにゃんこ部隊とは常に意識が繋がった状態である。
念話によりミニにゃんこ部隊からコニャコ体内への侵入に成功し心臓に向かうとの連絡を受けた俺は、コニャコへ揺さぶりをかけることにした。
「コニャコ、こっち側に戻って来るにゃ。」
「くどいにゃん、俺はコニャコじゃない黒騎士コニャコにゃん。」
コニャコに体内への侵入を気付かせないためである。
黒騎士コニャコの体内は動物と言うより植物を連想させ、まるでうっそうとしたジャングルの様であった。
そんな中、ミニにゃんこ部隊は広い空間にたどり着いていた。
『分隊長ここはどこなのにゃ?』
2番にゃんこが分隊長にゃんこに質問した。
『どうやらここが身体の中心にゃのかもしれないにゃ。』
部屋の中央に大木がそびえ立っていた。
『あの大木からコニャコの気配がするにゃ!』
『あ、あの上にコニャコがいるにゃ!』
大木の幹の表面にコニャコが頭だけを出して取り込まれていた。
コニャコは眼を閉じて動かないでいる。
『よし、コニャコをあの木から助け出すのにゃ。』
ミニにゃんこ部隊は慎重にコニャコを取り込んでいる大木を目指して前進していった。
先頭を進んでいたにゃんこ分隊長が大木の根元にたどり着いた。
『よし、足元に気を付けるにゃ。蔦が張っているにゃ。』
ドサッ!
にゃんこ分隊長が注意した矢先に一番後ろを歩いていた5番にゃんこが足元の蔦に足を引っ掛けて転んでしまった。
ガサガサガサ!
急に周囲の植物が音を立てて震えだした。
『しまった、気付かれたにゃ。』
ボトボトボトボト!
大木からミニにゃんこの背丈ほどの黒いリンゴの様な実が落ちてきた。
『危ない、避けるのにゃ!』
ミニにゃんこ達の動きは素早く誰一人として実の下敷きになることはなかった。
『大した罠じゃなかったようだにゃ。』
パカ!
その時、落ちてきた黒い実が次々と割れて中から黒いミニにゃんこが現れたのである。
落ちてきた黒い実は合計10個、10体の黒ミニにゃんこが現れた。
『全員、戦闘体制にゃ!』