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第250話 妖怪の親方様

 大正時代の書生風の男はいつの間にか晴明はるあきの真横に立ちまるで古くからの友人であるかのように話しかけてきた。

「『何だこの男全く気配を感じなかったぞ。それに俺が結界を張っているのにどうやってこの場所にやって来たんだ。』と思いませんでしたか?」

「俺の心が読めるのか?」

 晴明はるあきは驚きの表情を浮かべた。

「まさか、心なんて読めませんよ。そうじゃないかなと思っただけです。あなた達には私の所の若い子達がお世話になってますので挨拶でもしておこうと思いましてね。」

「なるほど、あの天邪鬼達のボスって訳だ。」

「そういうことです。自己紹介がまだでした。私、ぬらりひょんのセイと言います。」

「ぬらりひょんだって!有名な悪党妖怪が自首するつもりじゃなさそうだがどういうつもりだ。」

「今日はこれから始まるショーのメインゲストとして警視庁刑事部零課の安倍晴明あべはるあきさんを迎えようと思いましてね。カルアを使いに出したのです。」

「ショーだと?」

「そうです。人類世界に代わる新たな妖怪あやかし世界の創世に立ち会ってもらいます。今の世界を壊し、昔の様に妖怪あやかしの支配する闇の世界を取り戻そうと思ってね。」

「それがお前の狙いか。俺がそんなことをさせると思うか。」

 いつの間にかセイの足元まで延びていた晴明はるあきの影から護鬼が飛び出し両の拳をセイに叩きつけた。

ドーン!

 護鬼の巨体が繰り出す攻撃にセイの身体は地面に叩き付けられ、その凄まじい破壊力に地面にも巨大な穴が開けた。

「いきなり攻撃してくるとはせっかちですね。」

 たった今、護鬼の攻撃を受け地面に叩きつけられたはずのセイがの背後から晴明はるあきの耳元に頭を寄せ囁いた。

「何だと!」

 晴明はるあきは大きく飛びのきセイとの間合いを取った。

「誰も私の存在に気付けない。見えない。触れられない。感じられない。それがぬらりひょんの能力です。結構便利なんですよ。映画もただで見れるし、行列に割り込んでも誰も気付かない。」

 楽しそうに話すセイの表情はどこか寂しげ出あった。

ブーッブーッブーッ!

「失礼、電話です。」

 セイは懐から携帯電話を取り出した。

「あ、ジンくん。準備出来たの?そう出来たんだね。それじゃ、始めちゃって!」

 会話の間にも護鬼はセイへの攻撃を続けていたが全くダメージを与えることが出来なかった。

「何を始めようと言うんだ。」

「まあ、すぐに分かりますよ。」

 セイは懐から妖樹の種を取り出した。

「妖木の種と呼んでいるものです。ご存じでしょうがこれは妖怪を人為的に作り出すことが出来ます。凄いでしょ。」

「それがどうした?」

「今、ジンくんがこれを大量に持って夢の島つまり廃棄物処理場に行っています。」

「まさか!」

「そう、大量の新たな妖怪達が誕生するのですよ。」


 その頃、俺達は再び戦いを再開していた。

 俺対黒騎士コニャコ、戦鬼対カルアである。

 ブリットは寂しそうにその様子を観戦していた。


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