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第248話 にゃんこ対黒にゃんこ

 戦鬼せんきはその名前に似合わず小柄な女の子の姿をしていた。

 背丈こそ天邪鬼あまのじゃくのカルアより少し高いが160センチを切っているだろう。

 戦鬼の体を覆っているのは立派な胸を強調するタンクトップにデニムのショートパンツだった。

「あなた鬼の癖に人間の式神してるなんて恥ずかしくないの?」

 カルアは戦鬼を挑発するように言い放った。

「私は好きで晴明はるあきの式神をやってんの。お子様にとやかく言われる筋合いはないね。」

「お子様ですって!」

「その未発達の幼児体型は立派なお子様だろ!」

 戦鬼はカルアに向かって胸を張った。

「失礼な!私は幼児体型じゃないわ。」

 カルアは顔を赤くして怒りをあらわにした。

「戦鬼、口喧嘩させるためにを呼び出したんじゃないぞ。」

「うっさいわね、分かってるわよ。」

 晴明はるあきの言葉に戦鬼せんきは舌打ちをしながら答えた。

「分かってるならさっさと終わらせろ!」

「そう言うわけで覚悟しなさい!」

ドン!

 戦鬼は力強く踏み込むと叩き下ろすようなパンチをカルアに打ち込んだ。

ガン!

 カルアは戦鬼のパンチを腕を組んで受けた。

 戦鬼のパンチの衝撃でカルアの足が地面にめり込む。

「へぇ、お子様の割りに力は有るのね。」

 カルアも華奢な見た目に反してかなりの怪力の持ち主であった。

「あなたも胸が大きいだけじゃあないのね。」

 カルアは戦鬼せんきの腕を取ると腕の関節を決めるようにして投げ飛ばした。

 戦鬼の腕の間接がミシリと悲鳴をあげる。

「ぐっ!」

 戦鬼せんきは自ら投げに合わせて跳躍しクルリと回転して着地した。

 着地と同時にカルアに蹴りを入れ間合いをとった。

「あんた、結構えげつない技を使うわね。」

 戦鬼は腕の関節を確認しながら言った。

「それは誉め言葉として聞いておくわ。」

天邪鬼あまのじゃくなだけあるわね。」

 戦鬼とカルアの本気の戦いが始まろうとしていた。

 しかし、それを邪魔したのは俺と黒騎士コニャコであった。

ドガガガガガガガッ!

「うにゃにゃにゃにゃにゃにゃん!」

「オラオラオラオラオラオラにゃー!」

 俺と黒騎士コニャコは激しく拳を交えながら戦鬼とカルアの間に割って入ったのだ。

「こら、邪魔するな!」

バキッ!

 黒騎士コニャコは不意を突かれて戦鬼の強烈なパンチをまともに受けてしまった。

「フギャン!」

ドガン!

 吹き飛ばされた黒騎士コニャコはカルアにぶち当たった。

 俺はこの隙を突いて刀をカルアの背後からを喉に当てた。

「おとなしく、コニャコを元に戻すにゃ!」

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