第247話 晴明とカルア
「うにゃにゃにゃにゃ!」
黒騎士コニャコの両拳が手加減なしに繰り出された。
俺は大きく後ろに跳躍した。
「どうしてもやるんだにゃ?」
「やると言ったらやるのにゃん。」
黒騎士コニャコは俺を追って跳躍すると回し蹴りを放ってきた。
俺は身を沈めてかわすと同時に黒騎士コニャコの軸足をに足払いをかけた。
黒騎士コニャコがバランス崩したところに俺はタックルをかけたが、黒騎士コニャコは宙返りをしてひらりと身をかわした。
「コニャコなかなかやるにゃ。」
「そう言う来人は大したこと無いにゃんね。これでは本気を出すまでもないにゃん。」
「何だって、コニャコもう一度いってみるにゃ!」
「コニャコ、御主人様にその暴言聞き捨てならん!」
それまで見ているだけだったブリットが黒騎士コニャコに飛びかかった。
「ブリット手を出すにゃ!」
俺の声にブリットは黒騎士コニャコに届く前に拳を止めた。
バキッ!
動きを止めたブリットに黒騎士コニャコが容赦なく蹴りを入れた。
ガシャーン!
ブリットはガラスを破って店に突っ込んでいた。
「大丈夫にゃ?ブリット。」
ガラガラッ!
「大丈夫です。御主人様。」
ブリットは割れたガラスの穴から顔を出した。
「ブリット、ここは俺に任せるにゃ。」
「俺は別に二人がかりでもいいにゃ。」
コニャコは激しく俺を挑発してくる。
「コニャコ、あまり調子に乗ると痛い目にあうにゃ。」
晴明と天邪鬼カルアは静かに対峙していた。
「あっちは勝手に始めたんでこっちも始めるかな。」
「わたしはいいんだけど、あなたは大勢の人の前で力を使っても大丈夫なのかしら?それにあなたがいたいけな少女を襲う変質者に見えますわよ。」
「気遣い、お構い無く。どうせ、俺の張った結界で俺達のことは忘れてしまうんだから。」
「あら、それは残念。お気に入りの着物を着てきたのに。」
「勝手に言ってろ。おとなしく捕まるか。ぶちのめされて捕まるか選ぶんだな。」
「あなた方が倒されるって選択は無いのかしら。」
「勝手に言ってろ。戦鬼出番だ!」
晴明との影から赤髪の頭に角を生やした小柄な女の子が現れた。
晴明の式神の戦鬼である。
「やっと出番かよ。晴明、もっと出番を増やさねぇか。」
戦闘鬼は護鬼が防御を特化しているのに対して攻撃に特化している。
「さあ、戦闘だ!」