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第242話 リミッター

 既に中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうの身体は既に風船のように膨らんで破裂寸前であった。

「くそ、こうなったらお前達も道連れにしてやる!」

ゴロゴロゴロ!

 中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうは丸くなった身体を転がして俺達に突撃をかけてきた。

 俺とブリットは余裕でその体当たりを避けた。

 中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうはその勢いで道を町に向かって転がって行った。

「不味いにゃ。」

 今の中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうの状況は圧力鍋にガソリンを入れてコンロで熱しているようなものだ。

 圧力が掛かっているだけに爆発の威力は大きいに違いない。

「ブリット、町に出るまでに何とかするのにゃ。」

「分かっております。御主人様マイマスター。」

 中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうは全力で町に向かっていた。

「町に入ればうかつに攻撃出来無いはずだ。そこで身体を冷まして体内のガソリンを抜けば何とかなる。」

 しかし中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうの進路にブリットが立ち塞がった。

「逃しはしませんよ。」

「いつの間に?」

「私は飛べますからね。それにスピードでしたら朧車のリンの方がずっと速かったですよ。」

「そんなバカな。あいつを取り込んだ俺の方が遅いはずはない。」

「いや、遅いにゃ。」

 道に沿って追っていた俺が中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうの退路を塞いだ。

「何故だ?」

「お前、背中に速度抑止装置搭載車って書いてあるにゃ。リミッターが掛かってるんにゃ。」

「そうだった、忘れていた。」

「とにかく、ここで終わりにするにゃ。ブリット!」

「了解、御主人様マイマスター!槍技土竜突!」

 ブリットは足元の地面に槍を突き立てた。

ボカン!

 その瞬間、中性的アンドロギュヌス輪入道の足元から槍の先が飛び出して空へ打ち上げたのである。

「ぬお!」

「これで終わりなにゃ。にゃんこローリングファイヤー!」

 俺は回転するな炎の円盤となって中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうを切り裂いた。

ドーン!

 中性的アンドロギュヌス輪入道わにゅうどうは炎 をあげて吹き飛んだ。

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