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第233話 もののふ

 俺が力を求めたとき腕輪が光輝き、俺は再びにゃんこ騎士になっていた。

 今までの西洋風の鎧が和風に変わって、言わばにゃんこ騎士武士バージョンであった。

 武器は腰の日本刀と手に持った槍であった。

「妖怪退治にはサムライにゃ、にゃんこ騎士武士きし もののふ参上にゃ!」

 俺は槍をくるくると回しポーズを決めた。

 あくまで武士ぶしではなく武士もののふであるところが俺のこだわりである。

 戦隊物ならここで後ろに爆発が起こっているところだ。

 まあ、戦隊物と違うところは敵が待っててくれなかったことである。

 俺が気持ちよくポーズを取っている間に相手の鉄の獣は復活を遂げていた。

御主人様マイマスター!そのお姿は?」

「ブリット遅いにゃ。危なく食われるとこだったにゃ!」

「いや、御主人様マイマスター元の姿に戻られたのですね。」

 ブリットが目に涙を浮かべて喜んでいる。

「元の姿って訳じゃないんだけどにゃ。」

 その時、再び鉄の獣が俺に噛みつこうとした。

ガシッ!

 俺は鉄の獣の牙を軽く受け止めるとそのまま振り回し地面に叩き付けた。

ガシャーン!

 金属音が響き渡り鉄の獣はバラバラとなり、鉄屑の山と化した。

「お見事です。御主人様マイマスター!」

「うむ、ブリット、俺のことは殿と呼ぶにゃ!」

「殿!」

「にゃははは!」

「なぜよ?なぜ私の邪魔をするの。」

「邪魔と言ってもお前がやっていることは囮の自転車を使ってかかった奴を痛め付けているだけにゃ!」

「囮?鍵が掛かっていなければ盗んでも良いのか!奴らは盗賊だ。罰を与えて何が悪い。私は自転車だった頃に主人の元から盗まれ挙げ句の果てに壊されて捨てられたのだ。そいつらを捜して出して恨みを晴らしてやるんだ。」

「う~ん、気持ちは分からなくもにゃいけど……」

「何が気持ちは分かるだ。騙されんぞ!」

 突然、野太い声が響いた。

 少女の背後に巨大な燃え上がる車輪が現れた。

 そして、少女の姿は消えて車輪の中央に大きなおっさん顔が現れたのである。

「騙すも何もさっきまでの女の子は何だったにゃ!お前、おっさんじゃにゃいか、騙したにゃ!」

「うるさーい!自転車付喪神が輪入道わにゅうどうにランクアップ進化したのじゃ!」

「どうやったら、少女からおっさんに進化するにゃ!」

「ここにあった自転車の怨念の集合体がわしじゃ!たまたま、おっさんの自転車が多かったのであろう。」

「でもこれはこれでこっちにも都合が良かったにゃ。女の子ならやりにくいけど、おっさんなら容赦はしないのにゃ!」

「貴様、おっさんを差別するのか!」

「問答無用、パンクさせてやるにゃ!」

 俺は槍を構えると電光石火ライトニングの突きを放った。

ドシュッ!

 俺の突きは輪入道をとらえたかの様に見えた。

 しかし、輪入道は残像を残して俺の背後に

移動していた。

「早いにゃ!」

「ははは、そんな突きでは俺に掠ることも出来んわ。」

 輪入道の炎の車輪がさらに激しく燃え、回転を早めていった。

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