表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にゃんこ騎士冒険記にゃ!《異世界でゆるきゃらナンバーワンを狙う》  作者: 風丸
第2部 にゃんこ騎士と百鬼夜行 第1章 辻斬り美容師編
226/277

第226話 零課

 俺と晶と翔の3人は晴明はるあきのアメ車に乗せられ警察に連いていった。

 警察と言っても安倍晴明あべはるあきの所属する警視庁刑事部零課は他の警察組織と完全に分離され、ビジネス街にある雑居ビルがその拠点であった。

 今は取調室で待たされている。

 取調室といっても固定されたテーブルと椅子がある10畳ほどの部屋で出入口のドア以外に窓などはなかった。

 日本の刑事ドラマで見る取調室と言うよりハリウッド映画でみるFBIとかCIAの取調室って感じだ。

「あの革ジャンの人、本当に警察の人なのかな?」

 俺は隣に座る晶に小声で聞いた。

「化け猫の兄ちゃん、本当に何も知らないんだな。」

 晶の代わりに翔が答えた。

「だから化け猫じゃないって言ってるだろ。俺は人間だ。」

「猫又連れた妖気を纏った人間が居るわけないだろ。俺達の正体を聞いても驚きもしないし、さっき

付喪神つくもがみ相手にしていた動きも人間技じゃなかったじゃないか。」

「来人は化け猫じゃないにゃん。にゃんこ騎士にゃん。」

「何でそこまでばれてて認めないのか知らないけど、あの安倍晴明あべはるあきって刑事には逆らうなよ。」

「何でだよ。まあ、逆らうつもりはないけど。」

「あいつは妖怪の天敵だからだよ。」

「翔、この部屋の会話は全部きかれてるんだから軽はずみなことは言わないでよ。」

「分かってるよ。でも晶も俺と一緒に山に帰っていたらこんなところに来ることは無かったんだ。」

「山に帰る話は関係ないでしょ。別に私達は人を襲ったわけじゃないし、むしろ人助けをしたんだから感謝状の一つも欲しいくらいよ。」

ガチャ!

 その時、取調室の出入口のドアが開き3人の人物が入ってきた。

「彼があの化け猫と呼ばれているのが前に竜巻に飛ばされて電波塔の上で発見された少年なんだな。」

 偉そうに喋っていたのは刑事部零課の課長安倍(安部)輝夜かぐやだ。

 見た目は綺麗な黒髪を腰までのばした20代半ば位のグラマーな美女である。

「そうです。妖怪ではなくヒト科に属していますが強い猫の妖力の反応があります。連れている猫又は使い魔と思われます。」

 答えたのは間宮まみやすずは情報分析官でコンピューターの天才である。

 3年前に13歳の若さで警視庁のコンピューターシステムをハッキングした腕を買われ輝夜かぐやがスカウトしたのである。

 現役の女子高生でこの仕事はアルバイトである。

「妖怪に成り立てってことか。道理で地下世界アンダーワールドに疎いわけだ。」

 そして安倍晴明あべはるあきである。

「からす天狗とカミキリは西の大天狗から申請された登録証を所持していますので身元はハッキリしています。」

「彼等が退治したハサミの付喪神つくもがみだけど残留妖気は奴のものだったよ。」

「奴……天の邪鬼か。あれにも困ったものだ。」

「あの……」

「3人とも協力感謝する。身元もハッキリしたから帰って良いぞ。晴明はるあき、送って行け。」

「俺がかい。」

「他に誰がいる。」

「人使いの荒い婆さんだぜ。」

ドスッ!

 輝夜かぐやの肘鉄が晴明はるあきのみぞおちに吸い込まれる。

「誰が婆さんだ。」

「ぐっ、孫が祖母を婆さんって呼んで何が悪い。」

ドスッ!

「分かった、お前達、送ってってやる。」

「あの、祖母って?」

「言葉の通り、輝夜かぐや課長は俺の婆さんだよ。」

 輝夜かぐや晴明はるあきの祖母であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ