第218話 送別会にゃ
「後、3日でこの世界とお別れと思うとちょっと寂しいね。」
フェリシアの神殿から出てきた理沙が呟いた。
「そうだにゃ。」
「ところで修一は良いの?」
「え、何のことだい?」
「アリアのことよ。付き合ってるんでしょ。」
「ああ、その事なんだけど、俺はこの世界に残るよ。」
「そうにゃのか……って、本気にゃのか?」
「あら、私はそうするんじゃないかと思ってたわよ。」
「もう、決めたんだ。親にはよろしく言っておいてくれ。」
「任せてよ。」
「俺より来人はブリットとコニャコをどうするんだ?お前が居なくなると不味いんじゃないのか。」
「そのことか、フェリシアに頼むつもりだよ。俺から魔力を取れなくても方法は幾らでも有るらしいにゃ。」
「そうするんじゃなくて素直に残るかってことだよ。」
「その時は修一に頼むにゃ。」
「頼まれるけど責任取れないぞ。」
「まあ、何とかなるにゃ。」
それからの3日間はフェリシアの神殿は俺達の送別会のための宴会場となった。
この世界で俺達が出会った多くの人達が集まってくれたのだ。
ローマシアのマリウス王、ミーナ姫、ミシワールのカザン王、シイナ姫、ローズ隊長、ダリスのアーク王、マキシス隊長、ミドラス山脈の山小屋に住む巨人ハイザール、マジリアのマリーダ女王、ダブリンドア学長、ロン、ミック、マーシャル、シデン、フィーネ、デューク、アリア、金龍ナーガ、マーリン、サラス、マール、フドウ、ヴァイス、シャナ、サイガ等々、懐かしい人からお馴染みの面子まで大勢の人が訪れていた。
「それでは来人と理沙の送別の宴を始めましょう。乾杯!」
フェリシアの言葉で宴会が始まった。
「何から何まで世話になったな、来人。お前には我が国の軍に入ってもらいたかったのだがな。今からでも考え直さんか?」
「カザン王、抜け駆けはしない約束でしょう。」
「ありがたいけど、やっぱり帰るにゃ。でも色々あったけどけっこう楽しかったにゃ。」
「にゃんこ、帰ってしまうのか。俺は寂しいぞ。修一、お前はさっさと帰っていいぞ!」
「そう言わず、お兄さん。」
「誰がお兄さんだ、お前の兄になった覚えはない!」
「兄さん、修一をいじめたら私が許さないわよ。」
デュークはアリアと付き合っていることを聞かされ修一に絡んでいた。
「ところで来人、ブリットとコニャコとエリスの姿が見えないけどどうしたんだ?」
「修一が帰らない代わりに連れて行けって言うから、ダメだって言ったらすねて部屋にこもっているにゃ。」
「まあ、仕方ないよな。」
「でも、修一は本当に良いのにゃ?」
「あぁ、俺はここならヒーローだからな。考えは変わらないよ。」
「分かったにゃ、ブリットとコニャコをよろしくにゃ。」
「任せとけ。」
宴会は出発の時間まで続いた。
「そろそろ時間ですね。」
フェリシアはそう言うとグラスを置いた。




