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第213話 あなたは私にゃ

 大地獣王ガイアにゃんこは全体量をかけて黒龍王アスラを押し倒そうとした。

 しかし、黒龍王アスラの身体はびくともしない。

「どうした。それが全力か?」

 大地獣王ガイアにゃんこは力を抜いている訳では無かった。

 しかも大地獣王ガイアにゃんこは融合合体ヒュージョンにおける3形体一のパワータイプだったのだ。

 逆に黒龍王アスラが大地獣王ガイアにゃんこの前足首を掴んだ。

『コニャコ離れるにゃ!』

「ダメにゃん。動けないにゃん。」

メキメキ!

 黒龍王アスラが更に前足首を締め上げる。

「このまま、握り潰してやろうか!」

『コニャコ、噛め、噛みついてやれにゃ!』

「分かったにゃん!」

 大地獣王ガイアにゃんこは黒龍王アスラに噛みつこうと頭を起こしかけた。

ギリッ!

 その時、黒龍王アスラが更に力を入れて前足首を締め上げた

「どうした、何かしようとしたか?」

 アメイシアを取り込んだ黒龍王アスラの力は完全に融合合体ヒュージョンした俺達を上回っていた。

『ちくしょう、どうしようも無いにゃ。』

 その時、上を見上げた俺の目に俺達の真上に浮かぶフェリシアの姿が見えた。

 黒龍王アスラはまだフェリシアの存在には気付いていなかった。

『フェリシア、一体何をするつもりにゃ。』

 次の瞬間、フェリシアは光の矢となって黒龍王アスラを直撃した。

ドーン!

 フェリシアがぶつかった衝撃で黒龍王アスラの手が離れ、大地獣王ガイアにゃんこはその場から弾き飛ばされていた。

 しかも俺とブリットとコニャコは融合合体ヒュージョンが解けて別々に倒れていた。

「にゃーん、折角の出番だったのに全く活躍できなかったにゃん。」

「何が起こったのです。御主人様マイマスター?」

「フェリシアが黒龍王アスラに特攻したにゃ。」

 黒龍王アスラを見ると動きを止めて立ち尽くしている。

「フェリシアはどうなったにゃん。姿が見えないにゃん。」

 黒龍王アスラの身体が徐々に変化を始めていた。

 黒い髪のところどころが金色に代わっていく。

「まさか、フェリシアまで黒龍王アスラに取り込まれたのでしょうか?」

 フェリシアはブリットの心配した通り黒龍王アスラに取り込まれていた。

 正確にはフェリシアが自ら黒龍王アスラに取り込まれるために強制融合を試みたのである。

「フェリシアの特攻には驚いたが力がみなぎってくる。これがフェリシアの力なのか。」

 黒龍王アスラはフェリシアの特攻に驚きはしたが更なるパワーアップに素直に喜んでいた。

融合合体ヒュージョンでさえ歯が立たないのに更にパワーアップさせてフェリシアは何てことをしてくれたにゃ。」


 フェリシアが黒龍王アスラの中で気が付いたときそこは上も下も分からない真っ暗な空間であった。

「アメイシア、アメイシア何処にいるの?」

 フェリシアはアメイシアの名を呼んだが返事はない。

「…フェリシア。」

 その時、かすかにフェリシアを呼ぶ声が聞こえた。

「アメイシア!」

 フェリシアが声のする方へ向かうと中に浮かぶ巨大な黒い結晶体に身体の半分が飲み込まれたアメイシアの姿があった。

「フェリシア。自らの道具として生み出したアスラに吸収されてしまった私を笑うが良いわ。でも、いずれあなたも吸収されてしまうのよ。」

「アメイシア、お互い意地を張るのは止めましょう。私とあなたはもともと一つなのですから。」

「何を今更、お前が私の存在を闇として切り離したのだろう。」

「ごめんなさい、私もあなたがアスラに吸収された時に初めて気が付いたの。闇があってこその光。私にとってあなたが必要なの。」

 フェリシアはアメイシアに手を差し伸べた。

「今更、そんなこと言っても信じられるものか。」

「あなたはそのまま吸収されて消え去ることが望みなの。」

「く、ずるいやつだ。」

「だって、私はあなたですもの。」

 アメイシアはフェリシアの手をとった。

 フェリシアとアメイシアが光輝き一つとなった。

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