第210話 にゃんこ大空神にゃ
俺の斬撃と武御雷の雷撃の変則攻撃に黒龍王アスラ思わず空中に飛び上がり逃れた。
「おのれ小賢しい真似を。」
ドドドドドドドン!
黒龍王アスラは俺に向かって光弾を連続で放ってきた。
俺は軽快なステップで光弾をかわしていく。
「アスラの奴、俺が飛べないと思ってるにゃ。」
『御主人様、空中戦なら私に代わってもらえますか?』
俺の頭の中にブリットの声が響く。
今回も合体中に俺、ブリット、こにゃこの間での会話というか念話は可能であった。
「そうだにゃ。俺も飛べないことはにゃいけど、空中戦はブリットの方が格段上だからにゃ。任せるにゃ。」
『了解、御主人様。』
「チェーンジウラノスにゃ!」
そう言うと俺は黒龍王アスラに向けてジャンプした。
ジャンプと同時に金色の鎧が黒色の将校の着る軍服の様な形状に変化し、背中に3対6枚の大きな白い翼が現れた。
そして、その顔はいつもより長い髪で銀髪のブリットであった。
武御雷は剣から銀色の脚甲へとその姿を変えていた。
「にゃんこ大空神参上!」
『ブリット、頼むにゃ!』
「了解、御主人様!」
「姿が変わるのか!」
にゃんこ大空神はブリットがメインである。
にゃんこ大空神はゆっくりと華麗に翼を広げた。
ブワッ!
一瞬、翼が動いた様に見えた瞬間、にゃんこ大空神は黒龍王アスラの前に浮かんでいた。
ヒュン、ドンッ!
にゃんこ大空神が放った回し蹴り受けて黒龍王アスラが回転しなから吹き飛び壁にめり込んだ。
ボコーン!
「おのれー!」
黒龍王アスラは激怒し壁を蹴って大空神に殴りかかった。
ガガガガが!
にゃんこ大空神は黒龍王アスラの猛攻を巧みにかわして、カウンターのストレートを黒龍王アスラに叩きこんだ。
バキ!
黒龍王アスラがバランスを崩す。
にゃんこ大空神は脚甲羅が金色に輝く。
バリバリ!
「大技でいきますよ、ターゲットロック!」
にゃんこ大空神は両手の人差し指と親指で四角を作り、それを通して黒龍王アスラの姿をとらえた。
黒龍王アスラを光の立方体が囲む。
「何だこれは?」
黒龍王アスラは立方体を破壊しようと手を伸ばすが触ることが出来ずにすり抜けてしまう。
「こんなもの!」
更に動いて立方体から逃れようとするが、立方体は黒龍王アスラにピッタリと合わせて動き引き離すことが出来ない。
「チェックメイトだ、アスラ!」
にゃんこ大空神は天井いっぱいまで飛び上がると脚甲を揃え、床目掛けてきりもみ回転しながら凄まじい勢いで落下を始めた。
しかし、落下の先には床があるだけである。
「どこを狙っている。」
黒龍王アスラは一瞬、自分が光る立方体に囲まれていることを忘れていた。
「ゲートオープン!」
にゃんこ大空神が叫んだ。
するとにゃんこ大空神が落下する先に光る輪が現れ、にゃんこ大空神はその中に飛び込んで消えた。
ズガッ!
次の瞬間、にゃんこ大空神は黒龍王アスラを囲んだ光る立方体の中に現れ、きりもみキックが黒龍王アスラを貫いた。
「ぐあーっ!」
床に叩き付けられ動かなくなった。
「やった、やるじゃん、ブリット!にゃんこ大空神だったかな。」
エリスがにゃんこ大空神の回りを飛び回る。
「まだ、終わってません。エリス!」
カラッ!
黒龍王アスラがゆっくりと立ち上がった。
「気付いていたか。しかし、今の攻撃は流石にダメージを受けたぞ。」
「結構、自信のある技だったのですけどね。やはり簡単には倒せないようですね。」